ラインの黄金の聴きどころ(おまけ)

トマス)前々回のラインの黄金の記事で、フィナーレ近くの「剣の動機」の話をしたのですが、音源がないと分かりにくいので作ってみました。何かの参考になるかと。 https://www.youtube.com/watch?v=HT5nYi-glyo&list=UUo8ouMI284uxN0n_49A7SOQ ヨハン)これ…

ラインの黄金の聴きどころを探る

ヨハン)久しぶりですね。今日は、来週の東京春祭「ラインの黄金」の予習ということで。 アンナ)今回あらためて「ライン」を聴いてみましたが、これって音楽だけ聴いていると、あんまり見せ場がないような気がしますね。 トマス)確かにそうですね。ワーグ…

ラインの黄金対訳完成

「ラインの黄金」訳了です。 第3場http://www31.atwiki.jp/oper/pages/178.html 第4場http://www31.atwiki.jp/oper/pages/179.html ずいぶん長いことかかりましたが、振り返ってみると、第1場がとにかく進まなくてサジを投げていたのですが、第2場のロー…

ラインの黄金対訳(第1場・第2場)

恒例の東京春祭ワーグナーシリーズは、いよいよ「指輪」となり、今年は「ラインの黄金」です。 長らくお休みでしたが、これを機に対訳を仕上げることとしました。 まずは、前半の第1場・第2場を「オペラ対訳プロジェクト」にアップしました。 第1場 http://w…

猛暑

もともと夏は苦手なのですが、今年は、はなはだしいです。夏バテもいいところです。そのため、7月以来1か月ほど休止していますが、なんとか翻訳を再開したいなあと思っています。

ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ第10回定期演奏会

一昨日(7月13日)の夜は、ミューザ川崎で行われた「ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ」(JMO)の第10回演奏会に行ってきました。曲目は、マーラー『4番』と、ワーグナーの『ニーベルングの指輪』からの抜粋。 こちらの事務局から、演奏…

ワーグナー生誕200年〜『神々の黄昏』より〜

遅ればせながら、5月に「オペラ対訳プロジェクト」に、『神々の黄昏』の「アリアにジャンプ」を貼っていただいたので、そのご紹介です。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/196.html 後半の2つのうち、「聖なる花嫁よ」は、ついこの前紹介していますし、…

トーマス・マン『魔の山』より(2)〜「妙音の泉」の解題と最終章の翻訳〜

アンナ)前回のトーマス・マン『魔の山』の文章は、すごく熱がこもった文章ですね。 トマス)そうですね。この小説は、いつもは「イロニー」つまりどちらつかずの態度が基調となっているのに、ここでは本当に真剣な感じがします。ある意味、これは小説全体の…

トーマス・マン『魔の山』の抄訳〜ドイツロマン主義とその超克〜

予告後に、ずいぶん時間がかかりましたが、やっとできました。トーマス・マン『魔の山』第6章『妙音の泉』からの翻訳です。 スイスのサナトリウムで日々を過ごす主人公ハンス・カストルプは、サナトリウムが導入した最新式の蓄音機のレコードにハマってしま…

ワーグナー生誕200年記念対談(3)〜ブリュンヒルデの目覚め

トマス)ちょっと間が空いてしまいましたが、この間、トーマス・マン『魔の山』の一部を翻訳していました。もう少ししたら、アップできると思います。やはり、「ドイツロマン主義」というものがなんであるかということを、これ以上に示している文章はないと…

ワーグナー生誕200年記念対談(2)〜閑話休題(ドイツロマン派の音楽について)

アンナ)前回の「シューマンは市民的な分だけワーグナーよりすぐれている」というのは、なんとなくひっかかる言い方ですよね。これって、ほめてるのかけなしているのか分からない、すごく嫌らしい言い方(笑)だと思います。 ヨハン)ぼくも同じことを思いま…

ワーグナー生誕200年記念対談(1)〜ロマン主義的自己愛とその超克(トリスタンとイゾルデ)〜

誕生日の翌日のNHKの朝のニュースで、「ドイツでワーグナー200年目の誕生日が祝われている」とやっていたので、「おお。さすがにニュースになるか!」と思ったのですが、ほとんどが「ワーグナーには負の側面があり、ワーグナーの音楽が大好きだったヒトラ…

ワーグナー生誕200年

今日が200年祭。そのためだけの記事です(笑)。さすがにドイツでは、いろいろな特集がされています。

リヒャルト・ワーグナーとロマン主義的世界観(最終夜)

ワーグナー生誕200年イブです。このシリーズは今夜で最終回。 やはりトリはこの場面でしょうか。リンク先は、「オペ対」動画対訳の、1951年バイロイト。パルジファルはヴィントガッセン。グルネマンツはルートヴィヒ・ヴェーバー。http://www.youtube.com/wa…

リヒャルト・ワーグナーとロマン主義的世界観(第3夜)

8 ブリュンヒルデ!聖なる花嫁よ!(『神々の黄昏』第3幕) 陰謀により「忘れ薬」を飲まされ、ほんとうの妻ブリュンヒルデのことを忘れていたジークフリートは、背中に槍の一突きを受けて絶命する最後の瞬間、ついにブリュンヒルデへの愛を思い起こし、「眠…

リヒャルト・ワーグナーとロマン主義的世界観(第2夜)

前回からの続きです。今回は、少し間奏曲風の内容です。対訳は、タイトルの下のリンク先から、直接飛ぶようになっていますので、ご活用ください。 4 可愛い白鳥よ(『ローエングリン』第3幕) http://www31.atwiki.jp/oper/pages/1433.html#Schwan 聖杯騎…

リヒャルト・ワーグナーとロマン主義的世界観(第1夜)〜トリスタンとイゾルデ〜

ワーグナーの代表的作品といえば、何といっても『トリスタンとイゾルデ』でしょう。 1 降りて来い、愛の夜よ(『トリスタンとイゾルデ』第2幕) 『トリスタンとイゾルデ』第2幕の二人の逢引きシーンの二重唱。CDとしては先日も紹介したクラウス・フロ−…

リヒャルト・ワーグナーとロマン主義的世界観(序夜)〜ワーグナー生誕200年記念〜

いよいよ、5月22日は、リヒャルト・ワーグナー生誕200年記念日です。 これは、自分のようなワーグナーファンにとっては大記念日なので、何か記念になるようなことをしたいと考え、評論を書いてみました。 こんなに盛り上がってるのは、私だけかも知れ…

伊藤恵さんピアノリサイタル

今日は、紀尾井ホールで、伊藤恵さんのピアノリサイタルを聴いてきました。伊藤恵さんはシューマンのCDが素晴らしいので、最近、何度も聴いていたのですが、ライブで聴いたのは初めて。 曲目は、前半がブラームスの「シューマンの主題による変奏曲」作品9…

新日本フィル定期演奏会(アルミンク指揮、清水和音ソロ)ブラームス・ピアノコンチェルト2番、シューマン4番

トマス)本日は、クリスティアン・アルミンク指揮する新日フィルの定期演奏会を聴きに行ってきました。プログラムは、ブラームスの第2ピアノコンチェルトとシューマンの「4番」です。ブラームスがほんとうに美しかった・・・。こういうのを聴くと「生きてて…

『マイスタージンガー』(5)〜ザックスの最後のモノローグ

ヨハン)今日は、『マイスタージンガー』の最後をしめくくるザックスのモノローグのアップですね。 トマス)先週の公演の前から取りかかっていたのですが、間に合わなかったもので・・・。やはり『マイスタージンガー』のセリフって、ダントツにムズカシイで…

東京春祭『マイスタージンガー』鑑賞記

アンナ)今日はみんなでコンサート形式の『マイスタージンガー』を聴きに行ってきました。いかがでしたか? トマス)いやあ。この曲は、やっぱりいいですよね。久しぶりに聴くと、ほんとにいいなあと思います。いつまでも浸っていたい感じがします。4時間半…

『マイスタージンガー』(4)〜クラウス・フローリアン・フォークト氏のワーグナーアルバム

アンナ)『マタイ受難曲』ですが、私たちに隠れて、あんなことをやっていたとは・・・。ほとんどあきれてしまいました(笑)。 トマス)すでに、いい訳があると思うのですが、やはり自分で取り組んでみると、とても勉強になりますね。動画対訳は、すごく面白…

2013年の聖金曜日〜『マタイ受難曲』上梓

今年は、これを目指して進めてきました。 公開すると、なんか我ながら感動してしまいます。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/2344.html バッハの音楽はどれも素晴らしいですが、特に『マタイ』はすごいですね。

『マイスタージンガー』(3)〜第3幕「迷い(狂気)のモノローグ」に見るワーグナーの芸術観

アンナ)第3幕の頭にあるザックスの「迷いのモノローグ」は、単独でもよく取り上げられますね。 トマス)オペ対に、ここだけアップしているので、ご覧ください。http://www31.atwiki.jp/oper/pages/143.html#Wahn あと、Youtubeも。http://www.youtube.com/…

『マイスタージンガー』(2)〜第2幕「ニワトコのモノローグ」に見るハンス・ザックスの気持ち〜

ヨハン)今日は「マイスタージンガー」の中から、第2幕のハンス・ザックスのモノローグですね。 トマス)その部分の翻訳をアップしました。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/139.html#Flieder 音源もリンクしてみました。Youtubeからハンス・ホッターと…

『マイスタージンガー』(1)〜ワーグナー作品における「歴史物」とは?〜

トマス)4月に「東京春祭」の『マイスタージンガー』を聴きに行くので、その予習としてポイントのところを少しずつ訳していました。しかし、この作品のドイツ語は難物ですね。こういう擬古文みたいな調子は『ローエングリン』や『指輪』にも見られますけど…

2月13日はワーグナー没後130周年でした

70歳のほぼ3か月前に亡くなったので、去る2月13日は没後130周年でした。ヴェネティアで亡くなって、遺体がドイツに蒸気機関車で運ばれたので、ヴィスコンティの映画で有名なトーマス・マンの『ヴェニスに死す』というのは、明らかにワーグナーをイ…

とても共感できるアナセン氏のタンホイザー

昨日、新国立劇場の「タンホイザー」を見に行ったので、その感想です。 「コペンハーゲンリング」のアナセンがタイトルロールを歌っており、今回初めてライブで見られたのは、なんと言っても良かったです。パフォーマンス全体としても、とてもいいものだった…

メッツマッハー・新日本フィルのブルックナー9番

トマス)昨日は、みんなでサントリーホールに新日本フィルのブルックナー「第9」を聴いてきました。指揮はインゴ=メッツマッハーです。実は久しぶりにブルックナーを聴きましたが、いいライブで聴くと、やはり素晴らしいですね。 ヨハン)シューベルトの未…