2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

隠れキャストとしてのイエス〜パルジファル第3幕改訂版

「オペラ対訳プロジェクト」の「パルジファル」第3幕を大幅改訂しました。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/170.html 今まで不満に思っていた点を、一気に改訂させていただきました。 大きな改訂箇所は、「聖金曜日の音楽」と、それが終わった後の合唱部…

アドルノ「ヴァーグナー試論」結語〜トリスタン第3幕〜

アドルノにとって、トリスタン第3幕というのは、特別の作品だったように思えます。『試論』の末尾の文章でも、これが取り上げられます。(高橋順一訳『ヴァーグナー試論』作品社刊からの引用) 『トリスタン』第3幕の熱に浮かされた総譜には、あの陰鬱な、無…

目覚めの瞬間〜アドルノ「ヴァーグナー試論」を読む(2)〜

アドルノ『ヴァーグナー試論』(高橋順一訳)へのコメントの続きです。この本ではヴァーグナーに対して「動機」「響き」「音色」「楽劇」などの章立てで厳しい指摘が続きます。その批判は、私としてはほぼ首肯できるものが多いですが、今から見ると時に行き…

ジークリンデの気持ち(ヴァルキューレ第2幕第3場)

ヴァルキューレ第2幕第3場をアップしました。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/95.html ここは、ジークリンデの独白が続くのですが、彼女の精神がおかしくなっているので、訳してるとつらくなってきます。 ワーグナーはこういうところが「市民の神経を…