2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「イゾルデの愛の死」聴き比べ〜ワーグナー・ドラマティック・ソプラノの変遷〜

さあ!全国のワーグナーソプラノ・ファンの皆様。そして「トリスタンとイゾルデ」ファンの皆様。お待たせいたしました!(←大げさ?)この企画、ずっとやりたかったのですが、のびのびになっており、今回「イレーネさま」(自分の中で、だんだん昇格してきた…

「愛の死」聴き比べ(2)〜ワーグナー歌手と「巨匠」たち

さて、前回の続きです。「愛の死」って、さすがに多いですね。短い曲だし、聴き比べするにはベストかもしれません。指揮者のほうも有名な人が続々と出てきます。全部見ると大変なので、気になるものをチェックしていただければ、と思います。・ジェシー・ノ…

テオリンの「ドラマティック」

どうにもコペハン「ジークフリート」でテオリン・ブリュンヒルデが、初めて部屋の中から出てくる笑顔が脳裏から焼き付いて離れなくなり、困っています。この演出は、よく笑う演出なのですが、とりわけこのシーンの笑顔は印象的です。というか、これ以上、無…

新妻ブリュンヒルデ〜第1幕へのプレリュード〜

昨日訳した「黄昏」のラブラブ二重唱ですが、ちょっと気になるところがあったので、今、若干、修正しました。「誤訳」はできるだけ潰しておきたいので。ところで、私の訳は、「だいぶ意訳している」と思われる方も多いかも知れませんが、決してそれを狙って…

コペハンリング・ジークフリート

三連休で良かったです。コペンハーゲン・リングのジークフリートを堪能できました。正直言って私のような長年のファンは、演出に関してはハスに構えているところがあって、これも「ワルキューレ」までは「フムフム・・・」みたいな感じで見ているところが若干あ…

コペハン・ワルキューレ

昨夜は、スーパーに行ったら、なぜかお好み焼きの宣伝をしてたので、久しぶりに家でお好み焼きをしながら、「ワルキューレ」の第2幕・第3幕を一気に見ました。ビールを飲んで、へらで裏返しながら「ワルキューレ」というのも何ですが、早速そのレビューを…

私の「ニーベルングの指輪」論、または「ストレス解消としての翻訳」

最近、仕事が難題続きです。続く時は続くもので、次々と降りかかってくる感じ。困るのは、人に相談したりできると、それだけで気が楽になるのですが、人には内緒のことが多いので、職場には言えません。「王様の耳はロバの耳」ではないが、どこかに、私専用…

コペンハーゲン・リング「ラインの黄金」

「黄昏」の訳にはまってしまい、ついに第2幕の最後に達しました。ここを訳すのは本当に面白いです。見直してみてアップしたいと思います。 かねて発注していた「コペンハーゲン・リング」が届いたので、「ラインの黄金」と「ワルキューレ」第1幕まで見たの…

ジークフリートの行動のなぞ〜第2幕第4場

今日は、前回の続きで「神々の黄昏」第2幕第4場を訳しました。ここは緊迫感あふれる音楽で、とてもテンポ良く物語が進んでいきますが、語っている内容はけっこうややこしいものがあります。 コチラです↓ http://www31.atwiki.jp/oper/pages/201.html グン…

シューベルト「白鳥の歌」

最近、休みになると「神々の黄昏」三昧で、今日も前回の続きをセコセコと訳し、だいぶ進みました。でも、あとでもう一度、見直してみた方がいいような気がするので、アップは次回です。 さて、その代わりに息抜き(?)で、ボカロ第2弾をアップしてみました…

ハーゲンの非常呼集〜「神々の黄昏」第2幕第3場

今日は、前回に引き続き、ハーゲン特集です。 対訳はコチラを↓ http://www31.atwiki.jp/oper/pages/200.html この場面では、ハーゲンがギービヒ家の住民に「動員」をかけるのですが、ハーゲンの歌と合唱のかけあいが面白いので、けっこうファンの方が多いよ…

ハーゲンの「見張り歌」

「神々の黄昏」第1幕で、旅立っていくジークフリートとグンターを送り出してハーゲンが歌うシーンを訳しました。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/198.html それにしても、最初のハーゲンの5行!ニヒルでカッコよすぎです!この部分は、確かトーマス・…

日本語で歌う「ローエングリン」ブライダルコーラス

土日は頑張りすぎました(笑)。今日は息抜きです。 ワーグナーはじめ好きなオペラ作品を翻訳しているのですが、そこで思ったのは、対訳というのは、「見る気のある人」には面白いかもしれませんが、「特に関心のない人」には読んでもらえないだろうというこ…

「神々の黄昏」(5)〜ジークフリートの葬送行進曲

ことほど左様に、「黄昏」という物語では、「ハーゲン」が重要な役割を演じ、主役のお株を完全に奪っています。 しかし、それが逆転するのが「ジークフリートの最後のアリア」であり、それに続く「葬送行進曲」で、これはさらに決定的になります。 この「葬…

「神々の黄昏」(6)〜「ジークフリートの葬送行進曲」演出と演奏

私の「葬送行進曲」後半の解釈=「表現できないことの表現」とは、ふと考えてみると、それこそ「表現主義」(笑)かもしれません。通常、ワーグナーの舞台指示は「印象派」に思えるのですが、ここぞという時に、「表現主義的」になるように思えます。 さて、…

黄昏第3幕(2)〜ジークフリートの最後の歌〜

続きです。さきほど「単語に過剰な意味を込めている」(でも悪い意味ではないですよ)と書いたので、実地検証してみます。http://www31.atwiki.jp/oper/pages/202.html「ジークフリートの最後の歌」のそのまた最後の4行ですが、 Ach! Dieses Auge, ewig nun …

黄昏第3幕(1)〜「聖なる花嫁!」そして「文学としての指輪」

最近、「ジークフリートの最後のアリア」(「聖なる花嫁よ!」から始まる「辞世のアリア」です)を、Youtubeやら自分のCDやらで繰り返し聴いていたら、ラッシュの電車の中でも頭から離れなくなり、どうしようもないので(笑)、今日訳し始めたら、その前の…

黄昏(4)〜ハーゲンの「美学」〜

やっと、ここまでたどりつきました。ハーゲンのことです。 私は、このキャラ大好きなのですが、これに共感できるということは果たして幸せなことなのでしょうか? ちなみに、世界文学で言うと、彼は「ハムレット」です。第2幕で、アルベリヒを夢に見る場面…

「黄昏」(3)〜ト書きと頭韻〜

「朝」から「晩」まで『黄昏』になってしまいました(笑)。とはいえ、雨の中でしたがスーパーに買い物に行き、「冬ももうすぐ終わりだなあ」と「牡蠣」を買ってきて「カキ鍋」をやってみました。値段のわりに良いカキで、とても美味しかったのですが、残り…

「ルル」そして「黄昏」

「ルル」の第1幕第2場をアップしました↓(リンク先は、第2場の後半部分です) http://www31.atwiki.jp/oper/pages/269.htmlこの場面は、第1幕の白眉というか、音楽がものすごく充実しています。ルルとシェーンの対話もそうですが、シェーンが「画家」を…

ヤナーチェク「グラゴル・ミサ」

昨夜、「N響アワー」(久々に見ました)で、ヤナーチェクを聴いたので、一言その感想を。 思った以上に良かった・・・。オケも合唱も。 指揮のデュトワは、この曲大好きみたいで、CD(フランスのオケだったか?)も出しているし、もう知り尽くしていると…