ワーグナー生誕200年〜『神々の黄昏』より〜

遅ればせながら、5月に「オペラ対訳プロジェクト」に、『神々の黄昏』の「アリアにジャンプ」を貼っていただいたので、そのご紹介です。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/196.html
後半の2つのうち、「聖なる花嫁よ」は、ついこの前紹介していますし、「ブリュンヒルデの自己犠牲」は、同じページに動画があります。
そこで今日は「ジークフリートのラインへの旅」から。
ワーグナーの中でも、有名な音楽ですが、これってオペラの中だとよく分かるのですが、単独で聴くとナンジャラホイ?みたいなところがあります。私も、まだワーグナーにハマっていなかった頃、この音楽を聴いて「ワーグナーって、ちょっとイカれてるんじゃないか?」と思いました。ある意味、当たっていなくもないのですが・・・。要は、ぜんぜん「音楽的じゃない」んですよね。ライトモチーフがつなぎあわされて、オケが華々しく鳴らすのですが、正直言って、どこか空虚で無内容な感じがします。
ただ、この空虚さというのは、まさにこのシーンにはなくてはならない感じがするんですよね。それが難しいところだと思います。
とはいえ、このクナッパーツブッシュの演奏で聴くと、そんなに悪くもないような気がするのが、この巨人指揮者の恐ろしいところです。
http://www.youtube.com/watch?v=WVxnJCffCgM
続くは、ハーゲンの見張り歌。ある意味、ワーグナーの真骨頂なのですが、激しくクラいので、ダメな人は早めにやめてください(笑)。ハーゲンはゴットロープ・フリック。
http://www.youtube.com/watch?v=zljvlmRr48c
第2幕のハーゲンの「ホイホー」のほうが楽しめるかも。これも暗いけど。ヨーゼフ・グラインドルのハーゲンは絶品。これも指揮はクナだと思う。私は、ワーグナーを聴きたての頃に、このヒストリカル『黄昏』を聴いて、激しくハマってしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=qRJcWQXPGq8
それにしても、最後のほうの、この空しい「結婚行進曲」って何なんだろう・・・と思います。ワーグナーはこういうところが他の追随を許さない凄さがあって、これは良し悪しかと。こうして、いろいろ聴いてみて、やはり最後は「ブリュンヒルデの自己犠牲」を聴いたほうがいいかも知れませんね。
「オペ対」掲載のアストリッド・ヴァルナイのブリュンヒルデ。演奏は彼女の夫君のヘルマン・ヴァイゲルト指揮バイエルン放送響。
http://www.youtube.com/watch?v=9Ly5phUjh4E