トリスタンとイゾルデ

新国立劇場「トリスタン」演出面について

年末の公演を思いだしてみると、マクヴィガー氏の演出は、内実こんなコンセプトだったような気がします。あくまで私のイメージなので、意図は違うかも知れませんが。 ・イゾルデは世慣れた「マダム」である。 ・トリスタンは真面目な「従業員(=騎士)」で…

新国立劇場トリスタン初日

昨夜の「トリスタン」の感想です。 演出は、きれいなセットで良かったです。絵画の一場面のような感じにしていましたが、これは静止的なイメージの「トリスタン」のコンセプトに良く合っていると思います。主役2人の描き方については「こういうことかな?」…

トリスタン予習企画(4)〜生まれた時の記憶

いよいよ明日になりました。今日は、第2幕でマルケが歌った後にトリスタンが歌いだし、印象的なモティーフがついている所からです。ここで、トリスタンは自分の出生を思いだし、生まれる前の世界への憧れを歌います。Dem Land, das Tristan meint, トリスタ…

「トリスタン」予習企画(1)〜イゾルデのモノローグ

「トリスタン」予習用の企画です。 今回歌うのはヴァルトラウト・マイヤーさん。第1幕の「イゾルデの語り」です。この場面がいいんですよね。 http://www.youtube.com/watch?v=ghewBrHWxzg ブランゲーネに、これまでのトリスタンとのいきさつを語るイゾルデ…

*[トリスタンとイゾルデ]ワーグナーのドイツ語

年末で忙しくしているうちに、新国立劇場の『トリスタン』が来週に迫ってきました。齢なのか1年が過ぎるのがどんどん早くなってきました。いかんですね。 さて最近モーツァルトばかり聴いていたのですが、考えるのは、やはりイタリア語も勉強したほうがいい…

「びわ湖トリスタン」視聴記

突発事態でライブを聴きに行けなかった10月の「びわ湖ホール」の「トリスタンとイゾルデ」を12月3日のNHK教育の録画放送で見たので、その感想です。 録音で聴く限り、オケはとても良いと思います。指揮の沼尻氏の音楽づくりは非常に丁寧で、ツボを押さえ…

突然タメ口になるトリスタン

第1幕の肝心な所をちゃんと訳せてなかったので、ちょっと修正しました。ここは大事な所でした。 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/48.html トリスタンは、それまで「あなた」(SieですらなくIhrなので最上級の二人称)と敬語を使っていたのに、ここで突然…

「栄誉」と「妄想」で読むトリスタン

『トリスタン』について考えたことをまとめてみました。(まるで文学部の学生のレポート風ですが) 『トリスタン』を改めて読んでみると、イゾルデ、マルケ王、ブランゲーネ、クルヴェナールの世界観は最初から最後まで変化がありません。ただ、イゾルデは初…

10月16日「トリスタンとイゾルデ」inびわ湖ホール

上記日程で聴いて来る予定なのですが、最大のお目当ては、イゾルデを歌う小山由美さんです。彼女は「トリスタン」だとブランゲーネを歌う役回りだったので、そもそもイゾルデを聴けるとは思いませんでした。私は以前からこの方のファンなのですが、聴きに行…

ブランゲーネの歌

猛暑の間、セコセコ作っていたのですが、タイムリーなのでアップしてみました。 もともと、オケだけで作ってみた作品なのですが、ボカロと合わせるのが、かなり苦心しました。 こんなことをやるのは、1億2千万人の国でも、私が最初で最後でしょう(笑)。 …

プロムスのラトル・トリスタン

galahadさんに紹介していただいた「ラトル・啓蒙の時代オケ」の演奏をNHK・FMで聴いてみました。 あまりピリオドっぽく感じなかったですね。もっとすごいものが出て来ると思ってました。 解説者も言っていたのですが、普通にヴィブラートかけてましたし…

「愛の死」ヒストリカル

今日は、よほど「愛の死」が好きでなければ、楽しめない企画かも?この前の記事に書いた1907年「愛の死」はじめヒストリカル特集です・ ところで、この前、ネットを見ていたら、日本はボーカロイドがチャートを争う国なのだから、この際、政治も「ポリテ…

「愛の死」・・・テクノクラシカ?

今日は「父の日」だということを「ちびまる子ちゃん」を見ていて初めて気が付いた私ですが、「父ヒロシ」というのは、果たして何をしている人なのでしょうか?きっと、ごく普通の会社員なんでしょうが、「マスオさん」とは違い、スーツを着て出社するシーン…

改めてテオリン・スミスの「トリスタン」

コヴェントガーデンのCDを聴きながら、バイロイト2009のDVDが気になってしまい、改めて聴いてみると、これ、やっぱり歌手がすごくいいと思います。テオリンさんの「愛の死」は独特すぎるのですが、何度も聴いているとだんだん洗脳されて来ます(笑…

ドミンゴとシュテンメのトリイゾCDを聴く(第2幕まで)

この前、お店に行ったら輸入盤をお安く売っていたので、思わず購入し、何度か聴いてみています。☆アントニオ・パッパーノ指揮イギリス王立歌劇場「トリスタンとイゾルデ」 トリスタン:プラシド・ドミンゴ、イゾルデ:ニーナ・シュテンメ、ブランゲーネ:藤…

「イゾルデの愛の死」聴き比べ〜ワーグナー・ドラマティック・ソプラノの変遷〜

さあ!全国のワーグナーソプラノ・ファンの皆様。そして「トリスタンとイゾルデ」ファンの皆様。お待たせいたしました!(←大げさ?)この企画、ずっとやりたかったのですが、のびのびになっており、今回「イレーネさま」(自分の中で、だんだん昇格してきた…

「愛の死」聴き比べ(2)〜ワーグナー歌手と「巨匠」たち

さて、前回の続きです。「愛の死」って、さすがに多いですね。短い曲だし、聴き比べするにはベストかもしれません。指揮者のほうも有名な人が続々と出てきます。全部見ると大変なので、気になるものをチェックしていただければ、と思います。・ジェシー・ノ…