夜の女王のアリア(Youtube聴き比べ)

またヘンなものを投稿してしまいました。

オペラ対訳プロジェクト上で「魔笛」を翻訳し終わった後から取り組んでいたので、3ヶ月間ぐらい断続的にやっていたのですが、いやあ、音符が多いし、大変でした。
そのわりに、どことなく、イマイチな気もしますが・・・。モーツァルトって、何か、こういうテクノ系に、今ひとつ、はまらないような気がするんですよね。でも、このアリアは、まだしもハマるかな?オケとボーカルがぴったりすぎるとつまらないので、ちょっとずらしているのですが、ずらしすぎかも知れませんね。
ところで、パパゲーノのアリア(第2幕の、前奏に鈴の出てくるアリア)も、せっかく「歌える日本語訳」をつけたのでやっていたのですが、これが何か全然はまらないんで、完全に中断してしまい、永久にお蔵入りになりそうな気がします。涙・・・(←誰も困らないって。)

でも、やはり楽譜を書き写していると、すごく面白いですねえ。「夜の女王のアリア」って、そんなに転調するわけではないのに、すごく色彩感があります。うなりますね。特に、「1番」が終わって「2番」が始まるところのオケってすごいですよ。ほんと「星の世界」に浮遊している感じ。それまで三和音がきちんと付いていたのが、ここでFのユニゾンになるから、そう思うんでしょうか?
あと、日本語訳ですが、わりと意訳ですね。のっけから意訳なのですが、「地獄の復讐」とか「復讐の女神たち」なんて直訳だと「なんかなあ」なので、日本風に「怒り」を表現してみました。「マイネ・トホター」という所を「まな・むすめ」なんて訳した所に健全な「ダジャレスピリット」を感じていただければ、と思います。

さて、ボカロはボカロとして、参考として収集したYoutubeで、このアリアを聴き比べてみました。さすがにいっぱいあるので、いいと思ったものをあげてみます。
ルチア・ポップ
http://www.youtube.com/watch#?v=_ufeyarJxNQ&feature=related
ルチアさんは、きれいな声だと思うのですが、これクレンペラーもさすがな感じです。最初のコロラトゥーラでは、少しテンポを下げるのが絶妙な感じですね。「2番」の「あああ」は最後の音を引き延ばすのが独特の表現です。
・リタ・シュトライヒ
http://www.youtube.com/watch?v=COAptyz_GRY&feature=related
ノーチェックだったのですが、この方いいですね。玉のような声です。あとテンポを微妙に揺らしますね。この曲、インテンポじゃダメなんですね。
エディタ・グルベローヴァ
http://www.youtube.com/watch?v=-HXHTHgNfnw&feature=related
彼女は評価が高いから、ライブだともっといいような気がします。他にも動画があるのですが、初めは快速なのに、「2番」の「あああ」は必ずテンポを目立って落とします。
ディアナ・ダムラウ
http://www.youtube.com/watch?v=DvuKxL4LOqc&feature=related
これは「オペラ対訳プロジェクト」の「訳者コメント」でリンクしてもらったのですが、この方、歌う前から演技が最高ですね。コロラトゥーラの「あああ」をラクラク歌っているところが凄いです。

こうやって聴いてみると、人間の声って、ほんとうに精妙な楽器ですよね。ボカロでは、まだまだ太刀打ちできません(←当たり前?)。素晴らしいです。