「大地の歌」を訳してみました

来週の金曜日に、読売日響の「大地の歌」を聴きに行く予定なので、予習していたら、思わず訳してしまい、管理人さんにテンプレートを作っていただき、アップさせてもらいました。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/719.html
大地の歌」って、テノールとソプラノがたっぷり歌ってくれるので、オケだけのコンサートより「お買い得」な感じがするのは私だけでしょうか?(笑)今回のコンサートは、しかもその上、ハイドン天地創造」序曲と、ヴァレーズの「砂漠」という曲が前半にあるので、「お買い得ですよ、奥さん」みたいな曲目編成です。
ともあれ「大地の歌」ですが、これまでライブを聴いた限り、これはテノールの出だしが難しいように思います。この立ち上がりってカッコいいですが、ウォーミングアップしないで、いきなりコレって、すごく大変なような気がします?それとも、指揮者がバランスを取らないといけないのかも?
このテノールは、リリックとヘルデンの中間あたりが求められますね。私はヒストリカル好きなので、エルンスト・ヘフリガーが好きです。(ワルター1960年NYフィル、ベイヌム1956年コンセルトヘボウなど)
この「第1曲」は、私が高校生の頃に見た訳では、確か「大地の憂愁を歌う酒の歌」となっていて、それがずっと頭に刷り込まれていました。格調高い名訳だと思います。でも、今回よくよく考えてみると「大地の憂愁」って、なんじゃらほい?な気が・・・。あえて言えば「大地に生きる憂愁」ということでしょうね。(これは、批判しているのではなく、名訳だからこそ生まれる問題なのです・・・)
私は、「地上の悲しみを歌う酒宴の歌」としてみました。これも「地上に生きる悲しみ」のほうが良いのでしょうが、くどいのでやめました。
「地上の悲しみ」とは何かは、マーラーの音楽が静かになる箇所に凝縮されています。
「天空は、とこしえに蒼い。大地はどこまでも揺るぎなく・・・春になれば花が咲く。ああ・・・なのに、人はどれだけ生きるというのか?百年にも満たぬ間を、つまらぬ地上のガラクタで気晴らしするのが、関の山!」
ちなみに、第6曲の最後の最後でも同じようなセリフが繰り返されていますね。
「この、いとしき大地に、見わたす限り、春の花が咲き乱れ、新緑に燃える時を!どこまでも、とこしえに青き光、遥か彼方まで!とこしえに・・・とこしえに・・・!」
これが、テーマでしょう。「厭世感」というよりは、「人生のはかなさ」のようなもので、どちらの箇所にも、すごくいい音楽がついていると思います。
私、けっこういっぱい、この曲の音源を持っているのですが、Youtubeには思ったほどありませんね。クレンペラーフリッツ・ヴンダーリヒの歌う第1曲をアップしておきましょうか。(さっきのセリフは5分あたりから)
http://www.youtube.com/watch?v=Wp8GMBTmhpU&NR=1
なお、読売日響の出演は、指揮シルヴァン・カンブルラン、テノール:ミヒャエル・ケーニッヒ、アルト:エカテリーナ・グバノヴァさんです。来週まで、当分、「大地の歌」ネタになりそうな感じです。