詩と音楽、アルトソロ

訳しておいて何ですが、「大地の歌」は、詩はどうというほどのものではなく、いいのは、何と言ってもマーラーの音楽です。言葉以上に、音楽の語りかける力が意味を持っているように思えます。
詩はあくまで「触媒」ということで、ムードを味わえばいいのかな、と。その点、歌曲と言うより、オペラ系かな?という気もします。
ただ、ここで表現されている世界に作曲者がこれだけ魅かれたというのは、やはり「ヨーロッパの行き詰まり」感みたいなものが背景にあるのかなと思ってしまいます。終曲の最後に「ふるさと」に帰るだけだ、と言うのですが、その「ふるさと」ってどこ?帰る所があるの?みたいな感じがします。「とこしえに青き光」というんですが、黄泉の国に入って行くようなイメージです。「とこしえに・・・」と歌いながら、チェレスタマンドリン、ハープが「パララララン」とかやって消えて行く所がライブの楽しみですね。私は、この終わり方が好きなので、ここを聴くだけでもライブに行きたくなります。
「帰りたいのに帰れない」という心情が表現されているこの世界は、東洋的というより、西洋人が東洋に仮託してユートピアを歌う歌というイメージです。
さて、この曲の女性ソロですが、第4楽章は別として、メランコリックな歌なので、アルト(またはメゾ)歌手が、いかにも「疲れたあ・・・」という感じで歌うといい歌ですね。あまりドラマティックではなく、温もりのある声で、とつとつと歌うのが良いと思います。そう考えてみると、これは、コペンハーゲン・リングのスザンナ・レスマクさんがいいのではないか?と思い当りました。
もちろん、私の所蔵CDでも、みなさん、それぞれいい感じです。古すぎなのですが、Kerstin Thorborg(ケルスティン・トールボイ?とでも読むのでしょうか)という方が、1938年のワルターウィーンフィルでも、1939年のシューリヒト・コンセルトヘボウでも歌っています。音質はともかく、どちらもとても良い演奏なので、私の場合、この人ですりこまれてしまっている感じです。ワルターはわりと出回っていると思うのですが、シューリヒトは貴重な音源かも?
またクレンペラーで、クリスタ・ルートヴィヒさんとの「別れ」を載せてみました。
http://www.youtube.com/watch?v=u9ciexjdO-Q&feature=related
いつも思うのですが、最後に世界が突然ガラッと変わります。