ヴァルキューレ第1幕

オペ対に「ヴァルキューレ」第1幕をアップしました。
第1場・第2場 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/92.html
第3場 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/93.html
パソコン環境を変えたら、以前訳した作品の一部が段ずれしてしまいました。今回のは現在の環境に合わせているので、段ずれして見えるかもしれません。
さて、ヴァルキューレ第1幕ですが、ワーグナーのドイツ語の言い回しが独特なので、翻訳はけっこう悩みが多いです。どうしても原語の意味を離れざるを得ない箇所が頻発してしまいます。
とはいえ「冬の嵐は過ぎ去り」や「君こそは春」は、それなりにオリジナリティーがある訳になっているかもしれません。
ところで、この第1幕のストーリーは、意味をきちんとつかもうとすると非常にわかりにくい点があると思います。その原因の一つは、固有名詞がゴチャゴチャしていることにあると思います。ジークムントがフリートムントとかヴェーヴァルトとか名乗っているのはまだしも、ジークムントがフンディングに「自分はヴェルフィング族で、父親の名はヴォルフェだ」と言うところが混乱します。
これはジークムントのハッタリで、実際は「ヴェルズング族で、父はヴェルゼ」だということが最後に明かされます。しかし、これはトリスタンがタントリスという偽名を使うのと同じでバレバレじゃないかとも思いますが・・・。ワーグナーにはこういう言葉遊びが多いですね。
あと、ジークムントが自分の素性を語る場面は、彼の人生がギュッと圧縮されているので、なぜ意に染まぬ結婚を強いられた娘を助けないといけなかったのかなど経緯がよくわかりません。ジークムントの生い立ちは、それだけで別ストーリーが作れるかもしれませんね。この幕(と第2幕)は、彼の人生の最後の炎を示しています。