モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」より「ドンナ・エルヴィーラのアリア」日本語版

このシリーズはご無沙汰なのですが、たまに楽しんでいただいているとのメールをいただきます。一人でも楽しんでいただけるのは嬉しいので、少しずつ続けたいと思います。(この作業は、編曲するのはそんなに大変じゃない・・・というかむしろ楽しいんですが、最後にボーカルとオケを合成するのが大変だったりします。破裂音だとノイズが入るので、そこを和らげたりするのが面倒なのです)
http://www.youtube.com/watch?v=Q02FMdxILGk
今回もまた「当たらずといえども遠からず」という感じの日本語訳なのですが、一番やりたかったのは、中間の短調に転調するところの「どきどき」という言葉で、ここの原文のイタリア語palpitandoは文字通り「どきどき」だと思います。(Palpitare「心臓がどきどきする、震える」の現在分詞)
それにしても、モーツァルトはすごいですねえ・・・。最初の「ソソ・ソドミレドシラソ」(変ホ長調の階名読み)という音型パターンだけでほぼ全曲を作っています。先ほどの同名短調変ホ短調)の部分もいいですが、その前にある変ロ長調への転調も面白いし、コーダでこの音型がちょっとしつこく繰り返される雰囲気もいいです。
エルヴィーラはドン・ジョヴァンニに「Pieta(あわれみ)」を感じると何度も歌いますが、これは何といっても「ピエタ」なので例のミケランジェロの彫刻が頭に浮かんできます。その連想もあり、私は「救いたい」と意訳してみました。そうするとロマン派っぽいですが、私にはそもそもこの歌詞(原文)の雰囲気は「ロマン派な感じ」がします。
とはいえ音楽のほうは全然ロマン派風でないところがこの曲の魅力で、原文を知らないと、まるで楽しいことを歌っているかのように錯覚します。
日本語で歌うとどう聴こえるかをお楽しみいただきたいのですが、そもそも機械が歌っているのが気持ち悪いと感じる方はご使用をお控えください(笑)
なお、画像は「ドン・ジョヴァンニ」を初演したプラハのスタヴォフスケー劇場の外観を使用させてもらいました。