ライプツィヒ・マーラーフェスティヴァル

ライプツィヒに行きたしと思えどもライプツィヒはあまりに遠し。せめては新しきサイト見て気ままなる旅に出でてみん・・・」
マーラーの命日は1911年の5月18日ですから、今週の水曜日は死後ちょうど100年の命日ということになります。これを記念してマーラーが指揮者そして作曲家としての青春時代を過ごしたライプツィヒで、ライプツィヒマーラーフェスティヴァルが開催されます。
世界中から色々なオーケストラがライプツィヒゲヴァントハウスに終結し、マーラー交響曲を演奏するようなので、前から私はこれがずっと気になっていたのですが、中部ドイツ放送協会(MDR)のサイトで、これがネットでも聞けるようなのでご紹介します。
http://www.mdr.de/mahler/8539398.html
まだ、どんな感じで聞けるのか良く分からないのが微妙ではありますが・・・。
(※17日追記 下記にライブっぽいページがありますね。でも眠いのでライブは諦めます・・・笑)
http://liveweb.arte.tv/de/video/2__Sinfonie_c-Moll__Auferstehungs-Sinfonie__von_Gustav_Mahler/

あと、このページの右側にあるプログラム欄http://www.mdr.de/mahler/8532577.htmlを、お役立ち企画ということで、以下に翻訳してみました。

上演作品一覧
マーラー・フェスティヴァル・プログラム

  • -

マーラーの音楽は「すさまじい直接的な力で訴えかけてくる」とゲヴァントハウスの音楽総監督リッカルド・シャイーは語っています。5月17日から29日まで、ライプツィヒでその迫力を体験しましょう。2011年国際マーラー・フェスティヴァルのプログラムには、交響曲全10曲と『大地の歌』に加え、『子供の不思議な角笛』からの歌曲も含まれています。

5月17日(火)・18日(水) 交響曲第2番ハ短調
マーラーの『交響曲・復活』は1887年から1894年にかけて成立しました。作曲者自身の指揮により1895年12月13日にベルリンで初演されました。

  • -

ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団
ベルリン放送協会合唱団
MDR放送合唱団
ゲヴァントハウス合唱団
指揮:リッカルド・シャイー
独唱:トワイラ・ロビンソン(ソプラノ)、クリスティアンヌ・ストーティン(アルト)

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

シャイーは今回『2番』と『8番』という合唱付きの大曲を述べ5回振るようです。これは実に大変そうですが、それ以上にフェスティバルの実務的な面が大変そうです。でもこの方はおそらくマネジメント能力が物凄くある人で、それが今回のようなビッグプロジェクトに結びついているのでしょう。(その点まさにマーラーと似ています。)ライプツィヒ旧東ドイツで、昨年は統合20周年でした。その年明けにこのような充実した企画をするというのは実に意味のあることです。

指揮者兼作曲家エサ・ペッカ・サロネン
5月19日(木) 交響曲第3番ニ短調
グスタフ・マーラーは第3交響曲を1893年から1896年にかけて作曲し、1902年6月9日にクレーフェルトで初演しました。

  • -

ドレスデン・シュターツカペレ
ドレスデン・シュターツカペレ合唱団
指揮:エサ・ペッカ・サロネン
独唱:リッリ・パーシキヴィ(アルト)

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

サロネンの3番は聞いてみたいですね。とりわけ第3楽章と第6楽章がどんな感じでしょうか?歌声が入ってくる第4/第5楽章も楽しみ。

中部ドイツ放送交響楽団
5月20日(金) 交響曲第10番
1910年にマーラーは第10交響曲に取り組み始めましたが、彼の死により未完に終わりました。残されたスケッチによりデリック・クックが演奏可能な全曲版を作りました。この全曲版がマーラー・フェスティヴァルで演奏されます。

  • -

中部ドイツ放送交響楽団
指揮:準メルクル

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

これも興味深いです。メルクル氏は新国でお馴染みですが、10番の全曲版でどんなアプローチをするのか??マーラーのシンフォニーは全て「コンサートオペラ」だと思いますが、この曲の愛憎というのはとりわけ深いですから、どうしても聞きたいですね。

フィラデルフィア管弦楽団の次期音楽監督ヤニック・ネゼ=セガン
5月21日(土) 交響曲第7番
第7交響曲は『夜の歌』という名で呼ばれることがあります。グスタフ・マーラーがこれを作曲したのは1904年と1905年にかけてです。初演は彼の指揮の下で1908年9月19日にプラハで行われました。

  • -

バイエルン放送交響楽団
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

セガンさんは不明にして知らなかったのですがカナダの人らしいです。バイエルン放送響と。

王立コンセルトヘボウ管弦楽団が、その名前のもとになったコンサートホールで。
5月22日(日) 『葬礼』 『大地の歌
『葬礼』は第2交響曲の最初のヴァージョンで、1888年に成立したものです。
マーラーが『大地の歌』を作曲したのは1907〜08年ですが、遺作として1911年にミュンヘンで初演されました。

  • -

王立コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:ファビオ・ルイージ
独唱:アンナ・ラーション(アルト)、ロバート・ディーン・スミス(テノール

  • -

11時開演 ゲヴァントハウス大ホール

これも面白そうですね〜。私は『大地の歌』マニアなのでとりわけ。RDS氏はこれが本当に好きなのかしょっちゅう歌っています。ところで、ここの書いてある「コンセルトヘボウの名前のもとになった」というのは、私は初めて知りました。どういうことなんでしょうかね???

ロンドン交響楽団首席指揮者ヴァレリーゲルギエフ
5月22日(日) 交響曲第10番より『アダージョ』 交響曲第1番ニ長調
未完の第10番のアダージョマーラーは1910年に作曲しました。
マーラーは第1交響曲の大部分をわずか6週間のうちにライプツィヒで書き上げました。この作品のインスピレーションを与えたのは、カール・マリア・ウェーバーの孫の妻であるマリオン・ウェーバーへの恋であり、ジャン・パウルの小説『巨人』でありました。1889年に彼はこの交響曲ブダペストで初演しました。

  • -

ロンドン交響楽団
ヴァレリーゲルギエフ

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

10番のアダージョは第1楽章だけのヴァージョンと全曲ヴァージョンでは違います。ですから、ゲルギエフは今回「アダージョ」だけのヴァージョンをやるのでしょう。この『巨人』は面白そうです。

アラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
5月23日(月) 『亡き子をしのぶ歌』 交響曲第5番嬰ハ短調
亡き子をしのぶ歌』をマーラーはフリードリヒ・リュッケルトの5つの詩からなる連作歌曲集として1901年から1904年にかけて作曲しました。
1 いま太陽は明るく昇りはじめる
2 いま初めてわかる・・・なぜあんな暗い炎を
3 お母さんがドアから入ってきて
4 よくこう考える・・・あの子たちは散歩に行っただけ!
5 こんな雷雨の日に
交響曲第5番嬰ハ短調は1901年から1903年にかけて成立し、1904年にケルンで作曲者自身の指揮で初演されました。

  • -

ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:アラン・ギルバート
独唱:トーマス・ハンプソン(バリトン

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

トーマス・ハンプソンのkindertotenliederはすごくいいです!ただこの曲は指揮者しだいです。ギルバートがどこまでやるか。あとに5番を控えているとなれば気もそぞろか?正直、私はあまり期待できないような気がします(すごくマニア的な意味でですよ)が、何が起こるか分かりませんね。でもNYフィルがわざわざ来るんだから、このコンサートたぶん一番人気の一つだと思いますよ。目玉の一本です。いい意味で「興業」って感じで面白いです。

チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
5月24日(火) 交響曲第6番イ短調
マーラーは彼の『悲劇的交響曲』を1903年から1904年にかけて書き上げ、1906年5月27日にエッセンで初演しました。

  • -

チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
指揮:デイヴィッド・ジンマン

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

ジンマン=チューリヒの6番も見逃せません。

マーラー室内管弦楽団
5月25日(水)『花の章』『子供の不思議な角笛』 交響曲第4番
『花の章』は交響曲第1番ニ長調の2番目に添えられた楽章ですが、後に削除されたものです。
子供の不思議な角笛』からの歌曲をマーラーは1892年から1898年にかけて、主にクレメンス・ブレンターノとアヒム・フォン・アルニムによって編纂された同名の民謡集によって作曲しました。
交響曲第4番ト長調は1899年から1900年にかけて成立し、1901年にマーラー自身によって初演されました。

  • -

マーラー室内管弦楽団
指揮:ダニエル・ハーディング
独唱:モイツァ・エルトマン(ソプラノ)

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

これ、日本でもオーチャードホールでやる予定です。http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_11_harding.html

ライプツィヒゲヴァントハウス芸術総監督リッカルド・シャイー
5月26日(木)・27日(金) 交響曲第8番変ホ長調
この第8交響曲は「千人の交響曲」と名付けられていますが、ものすごい人間の動員を感じさせます。実際、1910年9月12日にマーラー自身によりミュンヘンで行われた初演では千人を超えるメンバーが参加したのでした。作曲家はこの第8交響曲を1906年から1907年にかけて作曲し、妻アルマに献呈され、彼自身により「国への贈り物」と記されたのでした。

  • -

ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団
MDR放送合唱団
ライプツィヒオペラ合唱団
トーマス協会合唱団
ゲヴァントハウス合唱団
ゲヴァントハウス児童合唱団
指揮:リッカルド・シャイー
独唱:エリカ・ズンネガルド、クリスティアン・イヴェン、ヒェン・ライス(ソプラノ)、リオバ・ブラウン、ゲルヒルト・ロンベルガー(アルト)、ステファン・グールド(テノール)、ディートリヒ・ヘンシェルバリトン)、ゲオルク・ツェッペンフェルト(バス)

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

「8番」をどう理解するかは私自身にとっての難問です。第1楽章はまだしも分かるのですが、第2楽章の「ファウスト」がいまだに理解できません。ただ恥ずかしながら私は1度もこの曲のライブには行っていないのです。これは「ハレの日」にやる特別の音楽のように思います。ですから、没後100年のこの場はぜひ行ってみたかったのですが・・・。

フランス国立管弦楽団の音楽総監督ダニエレ・ガッティ
5月28日(土) 交響曲第9番ニ長調
第9交響曲ニ長調マーラーは1909年から1910年にかけて作曲しました。この曲は彼の死後1912年にブルーノ・ワルターによりウィーンで初演されたのです。

  • -

ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
指揮:ダニエレ・ガッティ

  • -

20時開演 ゲヴァントハウス大ホール

ガッティとウィーンフィルの9番。これも大入り満員でしょう。「9番」はマーラーの集大成です。でも、オケは気むずかしいウィーンフィルですから、どんな演奏になるかは予想の限りではありません。これは『踏み絵』ですね。

5月29日(日) 交響曲第8番変ホ長調
(以下26/27日の公演と同内容なので省略。これがフェスティバルの最終公演。20時開演 ゲヴァントハウス大ホール)