前略 ルチア・ポップさま
最初に書いておきたいのですが、昨日の午後3時頃、近くの都立公園に行ったのですが、大勢の人が普通にお花見をしていました。むしろ桜がまだでした(笑)。自粛の貼り紙があるわけでも、取り締まりの人がいるわけでもありませんでした。ほっとしました。さすがにそんなバカなことはしないようです。普通に花見を楽しんでいる人達を見て幸せな気持ちになりました。
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前略 ルチア・ポップ様さま
本日はあなたの歌声を聴いておりました。お亡くなりになってからずいぶん長い時間が経ちますが、天国から見下ろした人間世界というのはどんなふうでしょうか。それとも、それまで忙しい生活に慣れ切っていたので、じっとしていられずに、すぐ生れ変わって、またソプラノ歌手になっておられるのかも知れませんね。そうすると時間的にはそろそろデビューでしょうか。どのようなお名前になっているかわかりませんが、ぜひもう一度お会いしたいものです。
もう一度、というのは、私はあなたをライブで聴いたのがたった一度きり、1986年のN響1000回公演のメンデルスゾーン『エリア』だけだったからです。第2部の最初のアリア『聴け・・・イスラエル』を歌うあなたの顔と声をはっきり思い出せます。でも、なぜそのまま「追っかけ」にならなかったのですかね?その頃はまだ高校生で、それができるお金もなかったでしょうけど。
長い時間が経ってから録音や録画でファンになったので「千載の悔い」とはこのことでしょう。生きておられる間に実演を聴けば良かったのに何ともバカなことをしました。
それにしても、よくこんなにたくさんの録音を残していただきました。ライブもあり、スタジオもあり、私もかなりのものを持っていますが、まだまだかも知れません。以下は7つのCDが入った「お値打ち盤」ですが、それでもごく一部に過ぎません。
- アーティスト: Lucia Popp
- 出版社/メーカー: EMI Classics
- 発売日: 2009/07/28
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 31回
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あなたは何度も来日されたので、この1980年東京文化会館の『フィガロ』の映像もこの前見ました。記事を書こうと思っていたのですが、なかなか時間が取れませんでした。(amazonにないのでタワーレコードからリンク)
http://tower.jp/item/2227092/1980年日本公演-モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」-カール・ベーム、ウィーン国立歌劇場管弦楽団
NHKエンタープライズは何と1万円近い強気の価格設定ですが、これは買わずにはおれませんでした。あなたのスザンナは素敵すぎます。第2幕でケルビーノの代わりに衣裳部屋から出て来る時、「衣替え」をして黒と白のシックな衣裳で出て来る所がキュートです。(なんでここで服が変わるの?と思いますが、衣裳部屋だから替えられるのです。しかしこれじゃ伯爵はますます「萌え」ですね・・・。)もちろん歌がいいので、庶民の娘さんを遥かに超えて永遠の女性像そのものです。
日本はひどいことになっていますが、人々が目先のことではなく「永遠」を信じられる限り大丈夫だと思います。万一、人が信じなくとも、私だけでも信じていればいいのかも知れません。あなたの歌声を世界中の人が聴いて癒されているんだなあと思うと、不思議と幸福感があふれてきて笑い出しそうになります。勇気と希望が湧いてきます。私も生活が激変して、時々ふと心が折れそうになりますが、あまり根をつめることなく、あなたの歌声を聴きながら笑顔で生きていこうと思います。 草々