あらためてシンフォニエッタとグラゴルミサ、ついでに「我が祖国」
前回紹介したカレル・アンチェルのヤナーチェク「シンフォニエッタ」(1961年)は、今はこのCDになっているようです。「タラスブーリバ」とのカップリングになっています。
- アーティスト: アンチェル(カレル),ヤナーチェク,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: CD
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ネットを良く見ると、アンチェルのヤナーチェクは評価が高いようです。ネットではそもそもヤナーチェクファンが評価しているから、そうなるのでしょうか?もっとも、この頃のチェコフィルは第2の黄金時代と評価されているので、アンチェルがたぐいまれな指揮者であることは間違いありません。この数年後の「プラハの春」で亡命に追い込まれてしまったのですが・・・。
彼のスメタナ「我が祖国」(1963年。グラゴルミサと同年の録音です)も評価が高いようです。
- アーティスト: アンチェル(カレル),スメタナ,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2006/01/18
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もちろん、これは純音楽的に考えた場合で、そういうこととは無関係にチェコ人には胸が熱くなる何かが、この曲にはあるような気がします。
ちなみに、このアンチェルの演奏の「モルダウ」の冒頭のピッチカートは「水滴の音」そのものです。なんじゃ?この音??録音の編集もありそうですが、それでも明らかに今の弦と違いますね。そんな楽しみもあります。
あと、前回の続きで、アウフタクトの話を考えていたのですが、「我が祖国」って、実はドイツ風の弱拍で始まるメロディーが多いです。スメタナの時代は、まだまだ地方に行って民謡を収集するという所まで行ってないので、そうなるのかも知れません。そもそも「チェコ」がまだ存在していないですから。ドヴォルザークも交響曲のテーマを考えると、アウフタクトの旋律が多いですが、これはいわば「よそゆき」だからかも知れません。(「新世界」の4楽章のテーマなんか、まさにそうですね。)でも「スラブ舞曲」とか「ジプシーの歌」では、その名のとおり、ドイツ風リズムではありません。これは過渡期ですかね。