バイエルン国立歌劇場の「ルサルカ」

2日にネットラジオで聴いた「ルサルカ」ですが、けっこう聴けました。バイエルンの音は、ホールのせいもあるかも知れないですが響きが芳醇な感じで、私は好きです。昔の録音と比べて基本的にはあんまり変わっていない気が。(←素人の意見なので、詳しい人には「いや変わった!」と言われるかもしれません)
そのせいもあるのかドヴォルザークなのに時々「マイスタージンガー」みたいに聴こえてしまうような(笑)。例の「ドイツ風アクセント」(アウフタクトが特徴的)もそう聴こえる要素かも知れません。もっとも、ドヴォルザークは、例えばヤナーチェクと比べると、曲自体がわりと「ドイツ風」なスタイルのように思えます。なので、そんなに違和感は感じません。
ルサルカ役の歌手Kristine Opolais(クリスティーネ・オポレイ)は、ドラマティックな語りの場面は良いのですが、アリアではちょっと私のイメージとは違う所もありました。この役は、ドラマティックとリリカルの中間にあるように思えるので、想像する以上に表現が難しいのではないか?という気がします。(ローエングリンのエルザがこれに近いような気がしますが、エルザよりもドラマティックぽいか?)
また、気になっていた「王子」のフォークト氏ですが、第1幕幕切れのアリアなど聴かせどころはなかなか良かったです。語り的な部分では、やや粗い感じがしましたが、チェコ語なので、そこはしょうがないかなと思います。
「水の精の父」Günther Groissböckもかなり聴けました。「お父さん」っぽい感じの父性的な声(笑)。2幕にいいアリアがあるのですが、そこも良かったです。「魔女」(Janina Baechle)、「王女」(Nadia Krasteva)もそれぞれ楽しめました。(ちなみに、歌手の名前を見る限り、チェコ人はいないような気がしますね。)
なお、これを聴いた副産物として、第1幕に1か所誤訳(というより意味の取り違え)があることにも気がついた(本日修正)し、良かったです。ドヴォルザークはオペラのイメージが少ないのですが、これはいい作品なので、もっともっと広まっていい音楽のように思えます。正月休みで第2幕の下書きを完了させたので、手直ししてアップしたいと思っています。(もっとも、その修正に時間がかかるのですが・・・)