ヤナーチェク「シンフォニエッタ」(ドイツ音楽とチェコ音楽の違い)

私は「シンフォニエッタ」はこのカレル・アンチェル指揮のチェコ・フィルでしか聴けないぐらい、これが好きです。「グラゴルミサ」も同様です。

今から20年ほど前になりますが「これはいいよ!!!」と友人に勧めたところ「なにこれ?」と一蹴されたのです。そのため、他の「シンフォニエッタ」の演奏も色々聴いたのですが、さっぱりいいと思えず、あまり大した音楽ではないようにも思ってました。「う〜ん、このアンチェルがいいんだけどな〜」と思いつつ「隠れ切支丹」のように聴き続けてきたわけです(←おおげさ?)
しかし、この前の「サラステ1番」で深く考えていて良く分かったのですが、これもチェコ音楽とドイツ音楽のリズム感が違うせいかも知れません。チェコ音楽(とりわけヤナーチェク)には「弱−強−弱」みたいなアクセントが無くて、言うなれば全ての音が等価になっているように思えます。例えば、ヤナーチェクの「草陰の小道」というピアノ曲は「4分の1拍子」の曲があるので「何じゃそりゃ?」と思うのですが、要は「すべての音符をアクセントをつけないで同じように弾け!」という指示ですね。
今日これを改めて聴いたのですが涙なしには聴けない演奏です。オケはものすごくうまいです。歌手は実は「ヘタうま」とも思えるのですが、「音楽することの楽しさ」をこれほど伝えている演奏というのは稀有じゃないでしょうか?その瞬間その瞬間が嬉しくてしょうがないというか・・・。それとも私のツボに余りにもハマりすぎているのかも知れません。