「女狐」翻訳メモ(2)
この連載をやっておこうと思っていたのですが、すかさず『マクロプロス事件』に取りかかってしまいました。こちらも第2幕までアップしたので、もう少しで終わりそうです。
それにしても、今年はヤナーチェクのオペラがかからなかったのが残念でした。去年は今頃「ブロウチェク」があり、一昨年は「マクロプロス」があったのですが。それなりに上演回数が増えてきたので、二十年来のヤナーチェクファンとしては嬉しい限りです。
村上春樹「1Q84」で「シンフォニエッタ」の話が出て来るようなので、CDショップに行くとその宣伝書きが書いてあるのですが、私などは「どうせヤナーチェクの宣伝するならオペラの宣伝してほしいよなあ」と思ってしまいます。ワーグナーの宣伝するのに「ジークフリート牧歌」をPRしているようなものですよね。(またはベートーヴェンのPRするのに「フィデリオ」を勧めているようなもの?)
もちろん「シンフォニエッタ」で興味を持ってもらうのはいいことなので、その次はぜひ『女狐』あたりを聴いていただきたいものです。映像なしで音楽だけでも結構聴けます。
冒頭ですが、マッケラス指揮のシャトレ座の映像がありました。演出はハイトナーです。
http://www.youtube.com/watch?v=fiQggEYSrxQ&feature=related
マッケラスは、ウィーンフィルとの有名な録音があるのですが、私はこちらのほうがいい演奏のような気がします。これは私が「ライブ好き」でスタジオ録音があまり好きでないからかも知れません。もちろん一概にスタジオ録音がダメは言えないのですが、こちらのほうが熱気があって良い感じです。
この「序曲」というのは、なんだか物悲しいトーンがずっと続くのですが、この雰囲気はビストロウシュカがつかまった後の間奏曲も同じです。スメタナとかドボルザークも一緒なので、いかにもチェコ音楽な感じがしますが、ヤナーチェクが特徴的なのは、弦楽器の細かいリズムでしょうね。
序曲が終わって森番が歌い始めるのですが、はっきりとは言ってないのですが、銃に託して(新婚時代の)奥さんへの想いを歌っているように思えます。そこは翻訳だと分かりにくいので、カッコ書きして補足しました。
なお、この「森番」というのは、正確には「猟場管理人」とでも訳した方がいいかも知れません。英訳では通常Gamekeeperとなっています。「森番」のほうが簡潔なので、そうしています。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/1029.html
子供のビストロウシュカは、ここだけ大人とは別人が演じます。セリフは「あれはなに?」「食べれるの?」「ママ!ママ!」ぐらいです。子供とはいえ、たいがいの演出で森番は担いで持って行ってしまうので、「オペラ歌手ってみんな力持ちだな・・・」とか思ってしまいます。
今回は第1幕第1場までで終了・・・と思ったのですが、続く「間奏曲」もあったので貼っておきます。ヤナーチェクらしい音楽です。この演出は、1度LDで見たことがあるだけなのですが、あらためて良く見ると、けっこう面白いです。
http://www.youtube.com/watch?v=DTTL_mWVMu8&feature=related