メッツマッハーのマーラー7番をネトラジで聴く

11月にインゴ・メッツマッハーが新日フィルでマーラー6番を振るので聴きに行こうと思っているのですが、ちょうどネトラジで7番をやっていたので聴いてみました。
オケはベルリン放送響です。なかなか良かったです。どうも、この曲は、マーラーが最も最先端に走ってしまい、曲全体としては何が何だかわからないように思えるのですが、脈絡なく一つ一つのシーンを取り出すと、とても面白いというアヴァンギャルディーな曲です。
一番良かったのは、第1楽章の序奏の再現でブラスが吹く前のチェロを強調していたところで、これはとても面白い表現だと思いました。あと、第5楽章の冒頭で、ティンパニが「ジャンジャカジャンジャン」とやる所が笑えました。その後のトゥッティも一見メチャクチャなようですが、秀逸なように思えました。第5楽章は全体的にすごく良かったので、これは意図的にここに力を入れているように思えました。最後のほうで、第1楽章のテーマが再現するあたりの表現がきわめて特徴的で面白かったです。
ほかにも、いろいろ面白かったのですが、この曲は実演で聴くに限るかも知れません。録音だと今一つ面白みが伝わらないところがあります。この曲は、私の意見では、音の響きそのものを楽しむ曲のような気がして、それが現代的に感じます。
私はマーラーは「6番」がとても好きなので、その点、少しクラシック寄りなのかも知れませんが、「7番」はこういうふうに演奏するべきかも?どうも「7番」は、「初めは良いが終わりはダメ」という駄作だと思われているので、そこに一石を投じているのではないかと思います。いい演奏でした。