翻訳について

たまたま発見したサイトでオペラの翻訳をやり始めてから1年ほど経つのですが、翻訳というのは独特の難しさがあるように思います。最近、「超訳」というのが本屋に置いてあり、意図はわかるのですが、これでほんとにいいのかな?と。
でも、私のワーグナーの訳もおそらく同じですね。ただ、ワーグナーは、おそらく原語が、ちょっとヘンなんでしょうね。たしか哲学者(科学哲学)のカール・ポッパーという人が、自伝の中で「こんな滑稽なセリフがあるか」とけなしていたと思います。それは、わかるような気がします。ボキャブラリーがすごく偏っており、文脈から解釈すると、明らかに意味の違う単語が使われていることが多いように思えます。そういう意味では、揶揄されて当然ですね。まあ、あえて弁護すれば、音楽の必要性で単語が変わってしまった、ということかも知れませんが・・・。
ドイツ語の意味どおりに訳していると、とても読みにくい訳になりますし、文脈から考えると今度はテクストと離れてしまう、というのは、なんか落ち着きません。