皇帝と皇妃

すっかり「影のない女」にはまっているのですが、「バラクの妻」を聴いてたら、個人的に、はまるものを見つけてしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=3oEcwxxEA0g&NR=1
第3幕の冒頭ですね。冒頭は、あんまりピンと来なかったのですが、すぐに物凄く引き込まれてしまいました。ギネス・ジョーンズですから、いいだろうというのは予測できたのですが、シュトラウスって、どういう歌にしたらいいかを熟知している人じゃないかと思います。こういうのは歌手が楽しくてしょうがないんじゃないでしょうかね?
このオペラって、「魔笛」を参考にしたということですが、二組のカップルが出てくるところが共通ですよね。でも、「魔笛」が「婚活」であるのと対照的に、これは「既婚者たち」の話であるところが面白いですね。
あと、私は、勝手に「パルジファル」とも似ていると思っているのですが、それは、皇妃が「苦悩を見て悟る」というところが共通していると思うのです。
ということで、やっと、皇妃の話なのですが、ヒルデガルト・ベーレンスの皇妃があったので貼ってみます。
http://www.youtube.com/watch?v=3SjnevCqymo&NR=1
ふと見ると、これ、さっきの動画と同じ上演ですね。なんじゃそりゃ??すごいキャストだ。
でも、この夢にうなされるシーンって、表現が難しそうですね。これ、作曲家も苦労している感じがします。もっと皇妃の場面がアップされているといいのですが、もう一つ全体像がつかめません。
それはそれと、この場面もそうですが、このオペラでは、皇帝と皇妃が直接会う場面が最後の救済の場面まで一回も無いんですねえ。第2幕のこのシーンでは「夢に見ている」わけですし、その前の皇帝が忍んで来る場面では、皇帝は遠くから「何と!何と!かなしや!」(笑)とか言うばかりです。第1幕では「鷹」に隔てられていますし。
そう考えると、ホフマンスタールは「皇妃が主人公ですよ!」と言っていますが、シュトラウスにとっては、それは無理難題もいいところでしょうね。「行為しないが悟る人」というのを表現するのは物凄く難しいと思います。そこにも「パルジファル」との共通点があるような気が・・・。
さて、ジョーンズとベーレンスの動画は、1980年のパリ(オペラ座?)らしいのですが、皇帝は、ルネ・コロでした。いったい、なにこれ???すごすぎ。指揮はドホナーニ、演出はレーンホフみたいですね。ヨーロッパではDVDもある(あった?)ようですが、画質はこれと同じで悪いようです。なぜ、これを正規できちんと動画にしなかったのだ?・・・でも、エキサイトしてもしょうがないので、ルネ・コロの皇帝を。
http://www.youtube.com/watch?v=jmSBzn0SsH4&feature=related
うんうん。これは、いかにも「皇帝」っぽいぞ。根は悪い人じゃないんだろうだが、短気な感じが良く出ています。
それにしても、このオペラは音楽がいいですねえ・・・。繊細のきわみです。実は今日、チケットを取ってきた(笑)のですが、休日にもまだ空席があるのが驚きです。そう考えると、やっぱりこの曲マイナーなんですね。自分がチケット取れたはいいけど、残念です。
3から4月にかけてのワーグナー・ラッシュがたたってマネーが無いので、今回は上の方の席にしてみました。舞台の奥が見えないような気がしますが、音響は悪くないとの情報でしたので。1階か2階でしか聴いたことがなかったので、どんな感じか試してみようと思います。