「影のない女」を訳す

新国立劇場リヒャルト・シュトラウス影のない女」があるので、タイムリー企画ということで一気に全訳し、オペラ対訳プロジェクト上にアップしてみました。こちらです。↓
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/372.html
それにしても、今年のGWは暦どおり休めたのが何よりでした。おかげで完訳できたわけですが、途中で何度か挫折しかかり、良く完成できたなあ、という感じです。ほぼ、1日1幕で取り組んでいたのですが、全部完成してからの「見直し」が辛く、直しだらけで、これが大変でした。それでも十分直せてないかもしれませんね・・・。
実は、この曲、初めて聴いたのですが、いい音楽です。台本はわかりにくいですが、案外、私が「パルジファル」「魔笛」と来て、これにたどり着くのは必然だったかもしれません。ファンタジーという点が共通ですから。どうも、私は、こういう世界が好きなようです。すべて、ただの劇だったら全然上演されないんでしょうけど、オペラならOKという世界です。

書きたいことは、ほぼ「訳者コメント」に記載したので、そちらを読んでいただければと思います。あと、筋書きがわかりにくい話なので、あらすじも載せました。ただし、これは、Wikipediaの英語を日本語にしただけです。

魔笛」のコメントにも書いたのですが、オーストリアの芸術作品って「ユートピア」がすぐ近くにあるような印象を受けます。この作品も「霊界」と「人間界」を自由に往復するイメージですね。その点「ドイツ諸邦」と「オーストリア帝国」は違う感じがします。
あと、ホフマンスタールの台本って、こっているけれど「素直」ですね。コメントに書いた「第1幕の最後の合唱」は歌詞と音楽がマッチしていて心にしみますが、これ文字通りの意味なので「素直」です。「パルジファル」にも同じ表現がありますが、聖杯騎士たちは、いいことを歌っているのに、「滅びへの道」を走っているという設定ですから・・・。素直じゃないです。

Youtubeをいろいろ見ていると、とても面白いですね。また次回コメントしようと思います。