ジークフリートひとり芝居(第3幕)

炎をかいくぐったジークフリートが、ブリュンヒルデを目覚めさせるまでの場面を訳しました。ここは、その後のシーンを訳した時から、ずっと訳そうと思ったのですが、なかなかできなかったのです。最初のセリフからして、どうしようかな?と。これでいいかどうかは別として、ようやくできました。こちらです↓
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/195.html
私の訳の特徴は「言葉づかい」なので、ジークフリートが「おれ」でないといけない人は、そもそも読めないかもしれません。特にわざわざそうしているわけではないのですが、「母さん」に助けを求めるセリフのイメージなどから、どうしてもこうなっちゃいます。
さて、この部分、あまり注釈はいらないと思うので、必要最小限にしましょう。
・その「母さん、母さん、ぼくは勇敢な子だよね」。直訳「あなたの勇敢な子供だよ」ですが、その後のつながりなどから、ちょっとひねってみました。
Ach! Dieses Atems wonnig warmes Gedüft!は、「黄昏」の最後の歌を思い出させます。ですから、その箇所と若干対応させてみました。このつながり方が泣けます・・・。

ほかにも語り始めればキリがないですが。単なる「眠り姫」の話ではなく、美男子と思っていたが美女だったという展開そのものが、すごいと思います。いくらでも妄想に走れそうですが、やめましょう(笑)

あと、「オペラ対訳プロジェクト」の「パルジファル」コーナーに、管理人さんが、この前の東京文化会館の「パルジファル」音声を貼り付けてくれています。ありがたいです。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/165.html
いま第2幕を聴いていた(短い幕なのでおすすめです)のですが、同じ4日の録音なので、印象は当然ほぼ同じですね。フリッツのパルジファルは、とてもいいですね。シュスターさんのクンドリーは、やはりパルジファルが目覚めた後の「こわいところ」が本領発揮で、その前の「母親としての歌」はもう一つです。あのあと、小山由美さんの歌唱を聴いたので余計そう思います。これは大事なアリアだから、やはり残念ですね。でも、この二重性の表現って、ものすごい難しいだろうなと、改めて思いました。あと、やはり「花の乙女たち」の合唱と6重唱がすごくうまいです。これは全て日本人ですから、うれしくなります。