[ヴァルキューレ]オペラ対訳「ヴァルキューレ」第2幕第2場完成

久しぶりに、オペラ対訳プロジェクトに、対訳をアップしました。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/94.html(次のページにも続きます)
ヴォータンのセリフ長い長い。ここは実際劇場で見ていても長く感じるシーンかと思います。ワーグナーには徹底的に説明しつくさないといけない偏執症的なところがあると思います。また、ヴォータンってはっきり言って自業自得なのですが、板挟みになって苦悩している姿には、なんか同情の余地が無いでもありません。人間界にもそういうことが多すぎるので、よくよくセリフを読むと、身につまされてしまう人もいるのではないかと・・・。
ヴォータンは「人間的な神」です。最後のあたりでは「こんな世界、どうにでもなっちまえ!」と吐き捨ててしまいます。今まで幸せに生きてきたであろうブリュンヒルデが、そのせいでがっくりきてしまいます。
ただ、この次の場面(ジークムント・ジークリンデの会話のあと)から、ブリュンヒルデの「変心と反抗」が始まります。ここがすごく見どころで、これに意味を持たせるために、ワーグナーはヴォータンにこれほど長いセリフを語らせてるようにも思えます。
ヴォータンの長セリフは、もちろんこれ以外にもいいのがあると思いますが、1958年のクナの演奏のハンス・ホッターが「至芸」だと思います。この歌声を聴いていると全然退屈しない・・・すごいの一言。ただ、貼ろうと思ったら、なぜか1956年と57年はあるのに、58年はなし。同じホッター=クナなのですが、58年が異様にいいのです。クナがいいのか?ホッターがいいのか?ブリュンヒルデは、アストリッド・ヴァルナイです。
ところで、今週土曜日は『ロ−エングリン』に行きます。新聞を見ていたらフォークト氏を絶賛していたので、期待大ですね。