ブラームスとシューマンをきく

3月以来、まるで更新していませんでしたが、その間、前回取り上げたガーディナーブラームスシリーズを何度も聞いていました。4交響曲と「ドイツレクイエム」の5CDですが、これは本当に素晴らしいです。いずれコメントしようと思っていたのですが、仕事がストレスフルなので休日は疲れてしまい、書くほうの意欲がわきませんでした。聴くほうは、よく聞いているのですが(笑)
挑戦的な物言いになってしまうのですが、ガーディナーの録音を聴くと、今まで聞いてきたブラームスのシンフォニーって何だったんだろう?と思います。これは、まさにこうやるべきものだったんだな、と思います。ブラームスを、ワーグナー以降のように演奏する、というのは、たぶん本質的に何かずれがあるのでしょう。
ただ、気がつくのは、1〜4番の間で、その落差には濃淡があり、「1番」が最もワーグナーっぽく、「2番」はどちらでも対応可能、「3番」「4番」が最も「後期ロマン派風」から遠いところにあると感じます。そういう意味では、ガーディナーのシンフォニーシリーズで私にとって最もいいのは「3番」。特に第1楽章のリズム感に新鮮な発見があります。「4番」もいいですが、こちらは両端楽章が「もっとよくなる」感じがします。ただし、そのぶん中間楽章は彼の独擅場で、第2楽章の美しさや第3楽章の躍動感が素晴らしいの一言に尽きます。
ブラームスのシンフォニーに「なんか違う?」と違和感を感じる「こだわり派」(?)の方には一聴をおすすめします。(微妙な言い方ですが・・・)
あと、これ、ガーディナーの対談つきなので、それがすごくためになります。

Symphony No 3 / Choral Works

Symphony No 3 / Choral Works

最近、枯れてきたのか、ブラームスがほんとにしみじみと心にしみます。後期のピアノ曲とか、ほんとにいいです。
あと、シューマンは、これはピアノ曲ばかり聴いているのですが、なんか生まれて初めてシューマンがわかってきたような気がします。シューマンの初期(「クライスレリアーナ」とか「謝肉祭」とか)と、ブラームスの「バラード集」などをはさんで、最後期(作品117〜119とか)とを続けて聴くと、ドイツロマン派の歴史が一瞬のうちに目の前を通り過ぎていくような感じがします。
いくつかCDを買って聞いてみましたが、ブラームスの作品117の第1曲と第2曲は、グレン・グールドが「良すぎる」気がします。(動画は第2曲)
http://www.youtube.com/watch?v=e3iQa7EtEmc
ブラームスは、ガーディナーの演奏に見られるように、ワーグナー風の演奏でないほうがいいのだから、演奏家にとっては逆にきわめて可能性がある世界のような気がします。(逆に、ワーグナーや後期ロマン派はきわめつくされてしまった世界かもしれない。)
最後に、アファナシエフブラームスを。これは作品117よりも、作品118「6つのピアノ曲」、作品119「4つのピアノ曲」がいいと思います。
ブラームス:後期ピアノ作品集

ブラームス:後期ピアノ作品集