『フィガロ』における「バルバリーナ萌え」とは?(10月10日新国立劇場)

タイトルは半ばジョークですが・・・。
今日は思ったよりも仕事が早く終わったので、第2幕のケルビーノの着せ替えシーンから中に入れたので、かなり見ることができて満足です。ただ、立ち仕事だった後に、第2幕終了まで立ち見だったので、さすがに疲れてしまいました・・・。
というわけで簡単に。
主役級5人(ケルビーノを含む)は、みんなスタイル・ルックスともに良いというのが実はポイント高かったかもしれません。
ただ、私的に「おお」と思ったのはバルバリーナで、第3幕で登場した時から「いい声だなあ」と思っていたら、第3幕のラストで伯爵に迫られ、×××となった後に、そのまま第4幕のアリアで「なくしてしまったの・・・」と始まるというのは、「おいおい、ホントにそんな歌詞だったか?」と思いつつも、とてもいい歌声だったので、ハマってしまいました。(なくしたのは手紙のピンなのですが、字幕はわざとこう訳しているのでしょう。)
もともと、これは印象的な音楽ですが、この方の声が非常にマッチしていました。当たり前のことですが、何より歌声がいいのでクラッとくるのです。ここは、なかなか面白い演出でしたね。
終わってからプログラムを見たら、九嶋香奈枝さんという方でした。まさか「バルバリーナ萌え」というものがあるとは思いもよりませんでしたよ(笑)。このオペラは、案外、この例みたいに、脇役にちょっと焦点を当ててみるのもアリかもしれません。
もちろん主役級も良くて、その中ではスザンナ(エレナ・ゴルシュノヴァ)が良かったです。伯爵夫人(ミルト・パパタナシュ)は、私的にはいま一つだったかも。歌声はいいと思うのですが、今一つマダムのアンニュイさが出てない気が。
フィガロ(アレクサンダー・ヴィノグラードフ)はなかなか深みがある声で良かったです。伯爵(ロレンツォ・レガッツォ)もまずまずでした。ケルビーノ(ミヒャエラ・ゼーリンガー)は残念ながら肝心な歌を聴き逃しました。(「恋とは」だけはドアの外からちょっと聞いたのですが・・・)。女装してからのケルビーノしか見てないので、もともとどんな格好していたのだろうか?と気になる私です。
それにしても、結局一番印象に残ったのが「なくしてしまった」バルバリーナだとは・・・。しかし、こんな記事を書いていると、またオタク疑惑が浮上するので、今回はここまでにいたしましょう。

<追記>翌日、図書館に行って「名作オペラブックス」を読んだら、別に字幕がこっていたわけではなく、そもそもこういう歌詞だということを発見しました。逆に、歌詞から発想してたんですね。