ルルの対訳完了

オペラ対訳プロジェクトの「ルル」対訳を完了しました。↓
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/265.html
2月頃からやっていたので、考えてみると、だいぶ時間がかかりました。この間、新国立劇場の日程に合わせて「ジークフリート」「黄昏」「影のない女」と飛び回ってましたからね。
「ルル」のドイツ語は、取り立てて難しくはないのですが、ヴェーデキントの戯曲をセリフはそのままに圧縮させていますから、わりと一つ一つの言葉の含蓄が深いですね。ヴェーデキントは「すれ違いの会話」を始めたと言われており、そのあたりもなかなか面白いですね。一つ一つのセリフは短く、かけあい調です。劇はいいのですが、この様式はオペラだと、すごく歌手に負担が重いような気が・・・。気が抜けないんじゃないかと思います。そのくせ「無調」なので歌も難しいし。絶対音感が無いと大変なんじゃないでしょうか?
ふと思ったのですが、ワーグナーって、一人ひとりのセリフがほんとに長いですね。「橋田壽賀子ドラマ」みたいです。(というか逆に橋田氏がワーグナーに似ているのか?(笑)そんなこと言われたことないでしょうが)
さて、ルルの訳者コメントには、このリンクを張ってもらいました。画面では、アルバン・ベルクが、師匠のシェーンベルクが描いた肖像画と並んで撮ってもらっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wC_wfpRsfYc&feature=player_embedded
第2幕第2場のルルの再登場シーンなのですが、これが3つ連続しています。最初はベーム。2番目がブーレーズ。3番目がアンドリュー・デイビス。ルル役のソプラノは、最初がエヴリン・リアー、お次がテレサ・ストラータス、最後がクリスティーネ・シェーファーです。
それにしても、最初のベームの演奏の歌手たちって、ディクションがものすごく明瞭ですね。ドイツ語ヒアリングの教材にできそうです。クライマックスに達するまでの会話は、どうでもいいようなセリフなのですが、音楽が叙情的すぎるので、その間のギャップが面白いです。
「ああ、自由」の叫びは、みなさんそれぞれ特色があるのですが、エヴリン・リアーはものすごい絶叫なので、喉を傷めないかなあ、と余計なことが心配になってしまいます。ストラータスの歌は、オケのサウンドとの相性がいいような気がします。これはブーレーズの手腕かも知れませんが・・・。特筆すべきはシェーファーで、取り立てて音量を上げるわけではありませんが、透き通った声で、きちんとこなしています。並べて聴いてみると、いかにいい声か、あらためて良くわかります。
ところで、これと同じシェーファー・ルルの第1幕の画像がYoutubeにあったので、この前リンクしたのですが、今回探してもないので「あれっ?」と思っていたら、利用規約違反とかで削除されてました。どうも、画家があまりにもヘン○イっぽいので「公序良俗違反」だったのではないかと推測します。確かに、あれはイヤな人はイヤかも知れません。
このグラインドボーンの演出は、私にはオーソドックスすぎるように思えるのですが、思うに、3幕バージョンなので、第3幕にすべてを合わせて発想したような気がします。ルルのDVDは思ったほど多くないので、やはりこれが買いでしょうか。
シェーファーさんと言えば、youtubeザルツブルクのケルビーノがありました。
http://www.youtube.com/watch?v=LFTUz8kW7u4&feature=related
うーん、はまりすぎててこわい。ほんとに少年としか見えません。これはこれでアブナいような気もしますが?ネトレプコは、さすがにきれいです。この前、渋谷のタワレコに行ったら、彼女の音源がずらっと並んでました。美人は得だなあ。もちろん歌もうまいですが(あたりまえです)。ロシアだと思いますが、中央アジア系な顔立ちのような気がします。
ケルビーノのアリア、これでいいんですかね?私は、アーノンクール好きなので、わりと面白いんですが。