ナニコレ?クラシック

いやあ。今日はいい天気で、気持ち良かったです。春ですね。
最近、ワーグナーだらけだったので、今日はちょっと気分を変えてみたいと思います。オケ曲を聴く方にご訪問いただいているので、ちょっとヘンなクラシック曲を集めてみました。
私、たぶん自分がヘンなので(笑)、こういうヘンなものに魅かれるんでしょうね。ただ、それなりの名曲ぞろいです(・・・だと思います。でも、実はそう思うこと自体がヘンなんでしょうかね?)

・ニールセン「交響曲第4番第4楽章」
デンマークを代表する作曲家。この曲は「不滅」というタイトルがついていますので、それなりに有名かもしれません。ここでは、何がヘンかというと、ティンパニが左右に2台あって、「打ちあい」をするんですよね。こんな曲、ほかにありません。

私は面白いし、いい曲だと思うんですけど、日本では、あまりこの作曲家が好きな人っていないですね。欧米では、どんどん評価が高くなっている人で、ネットラジオとかにも頻繁に登場するのですが・・・。なんか、日本人の感性と合わない部分があるのかも知れません。

バルトーク「ピアノ協奏曲第2番第1楽章」
http://www.youtube.com/watch?v=Q_36cPkLyvI
ヘンな曲の仲間入りをさせたら申し訳ないですが、第1楽章は弦楽器がお休みで、ピアノと管楽器と打楽器だけの音楽。ヘンな取り合わせですよね。それにしても、この動画たまたま見つけたのですが、名演だと思います。ピアノのラーンキももちろんですが、指揮のコチシュもピアニストなので、実はそれがいいのかもしれません。バルトークって、自分がショパンコンクール(だったと思う)で2位になるぐらいのピアニスト(1位はヴィルヘルム・バックハウスなので、相手が悪かった)だから、こんな壮絶に難しそうな曲を書くんでしょうね。私は、この楽章、バルトークの書いた最良のページの一つのように思います。

オネゲル「交響的運動第1番〜パシフィック231〜」
オネゲルはフランスの作曲家(1892〜1955)。機関車が走る模倣です。いやあ、ものすごい発想です。Youtubeをいろいろ聴いていたら、このバーンスタイン・NYフィルがピカ一でした。もっといいのもあるかも知れませんが。

思うんですけど、バーンスタインって、こういうの得意ですね。この曲って、ホルンが最初に出てくるところがミソで、イマイチな演奏だと、ここで外してしまうんですが、バーンスタインはさすが。

ヤナーチェク「消えた男の日記」
ヤナーチェクもヘンな人の代表格みたいな人(失礼?)ですが、これもフシギな曲。オケ曲ではなく、ジプシーの女に夢中になって家族を捨てて飛び出してしまった男の詩(ほんとの話か、フィクションかは不明)にヤナーチェクが強いインスピレーションを受けて書いた「歌曲」なのですが、主役のテノール・ソロ以外にも、お相手の女性(アルト)やら、それ以外の3人の女声が出てくるので、ほとんどオペラ。

案外、動画はないですね。女声3人の歌のあたりでは照明を変えるように指示があったり、面白いんですけど。仕方がないのでドキュメンタリー・タッチのものを引っ張ってきました。それにしても、このドキュメンタリーやたらと面白いので、ヤナーチェキアン(私の造語。日本に何人いるのだ?)は必見。

ショスタコービッチ交響曲第15番」
ショスタコの最後の交響曲。第1楽章は、曲の途中でいきなりヘンなことが始まるのですが、全体的な雰囲気になじんでいるので、そのうちビックリしなくなります。

第4楽章も、これはワーグナーの引用から始まります。ほんとにヘン。「指輪」だけかと思ってたら「トリスタン」まで出てきます。「おれはもっとオペラをやりたかった・・・」ということのようにも思えるのですが。(この人は、唯一のオペラを当局に批判されて生命の危険にさらされたため、その後はオペラを書かなかった)その最初の部分を聴けば十分でしょう。

逆に、曲の最後は、最後の1分ほどが素晴らしいです。こういうヘンさって大好き(笑)。大活躍しているのは、木琴、カスタネット、トライアングルですかね。

ヴォーン・ウィリアムズ交響曲第2番・ロンドンシンフォニー」
イギリスの作曲家で、この曲はタイトルどおりロンドンを表した標題音楽の側面があります。

この動画はプロモビデオみたいですが、最初の部分は第3楽章のスケルツォの音楽。そのうち、テームズ川が出てくるあたりが曲の冒頭。ビッグベンの鐘の音がハープで聴こえてきたりして面白いですね。

・ニールセン「交響曲第5番」第1楽章第2部
ニールセンから始まったので、ニールセンで終わろうと思います。この人、ふつうそうに見えて、けっこう変わっています。さきほどはティンパニが活躍していましたが、こちらは小太鼓が大活躍。クライマックスに近い所では、小太鼓奏者に「オーケストラをできるだけ邪魔するようにアドリブでやるように」との指示があります。

この動画の小太鼓は、比較的おだやかですね。わりと無難にまとめた演奏です。最後のクラリネット・ソロが印象的。

こうやって集めてみると、デンマークハンガリーチェコと小国の人がいる一方、イギリス、ロシア、フランスと大国の人もいますね。「ヘン」と言うのは失礼でしょうが、本人たちは大まじめなんでしょうから、その辺りが面白いですね。
それにしても、改めて動画を見ると、ケネディがいたり、レーニンがいたり、いったい何の特集なんだ?という感じです。笑えます。