ウィーン国立歌劇場の「トリスタン」

昨晩(というより今日の未明)、ネットラジオでタイトルの放送があったので、録音しておいて今聴いています。指揮はサイモン・ラトル、トリスタンはディーン・スミス、イゾルデはヴィオレッタ・ウルマーナ。おそらく(というのは、放送局がスペイン語なので良く分からないのです)、昨年の12月の演奏だと思います。
『トリスタン』は、タイトルロール2人とブランゲーネ(イヴォンヌ・ネフ)が良くて、指揮が良ければOKなオペラ(十分ハードル高いですね・・・笑)なのですが、かなり良かったです。
ラトルの指揮は、鋭角的な感じなのですが、この音楽には「ネットリ」と「キビキビ」の2つの要素があるので、「キビキビ」はとても良かったです。例えば、第1幕の「イゾルデのモノローグ」などは、ウルマーナの歌唱もあって、印象に残りました。
第2幕も、スミスとウルマーナがいいので聴けるのですが、「ブランゲーネの歌」では、弦楽器のシンコペーションが余り聞き取れなかったり、木管のソロがハッキリしすぎていて、ちょっとな・・・という感じです。録音のせいかもしれませんが。
第3幕のスミスの「トリスタンのモノローグ」はさすがです。バイロイトでも歌ってますからね。私は「あこがれのために死ぬのではない」という箇所が好きなのですが、ここが良かったので、もうそれだけでいいかなという感じです。
ウルマーナの歌もいいですね。ただ、「愛の死」を今聴き終わったのですが、ラトルの指揮は、クライマックスの音を強調して長く引っ張ったりするところは、私にはウ〜ムです。一つの解釈なのでしょうけど。「ワーグナーの場合」は、「淡々とやるだけでいいのになあ」と思ってしまいました。「愛の死」とか「ブランゲーネの歌」という聴かせどころがイマイチというのは、ちょっと不思議です。
でも全体的には、歌手が良かったし満足でした。