『指輪』における「契約」

前回の記事を自分で読んでみると、我ながら、あまりよく意味が分かりませんね(笑)。まだ自分の中でこなれていなかったからですね。
具体的に書くと、例えば『ワルキューレ』ではジークムントとジークリンデの近親婚があるのですが、フリッカがそれに反対し、ヴォータンもまた「契約」に縛られて、ジークムントは見殺しにされてしまいます。
ここで例のフロイトの本に戻るのですが、フロイトは「近親婚がなぜタブーとなっているか理由は定かではない」という意味のことを書いています。したがって、モーセ(のような人)が「理由なく」それを禁止したのだと。といっても批判しているわけではなく、ここでフロイトは「掟を作り出した人間(モーセ)」の偉大さを讃えているわけですが。
さて、そこでまた『ワルキューレ』に立ち戻って不思議に思うのは、なぜフリッカはそれをダメだというのかです。というのも、彼女は北欧神話の女神なのだから、そんなに近親婚に目くじらを立てるはずだろうか?と思えるわけです。
だとすると、この女神の造形には、やはりキリスト教的なものが入っているんでしょうか?もしかすると、ヴォータンが縛られている「契約」というものも、やはり何がしか一神教的なものが混ざっているのですかね?
ジークムントとジークリンデの死の原因は、ヴォータンがフリッカとの契約に縛られているからですが、ジークフリートの死もまた、彼がグンターと「偽りの契約」をしたからです。
この「契約」というのが、結局何なのか非常に気になります。ヴォータンは、色々な人と契約をしていますが、そもそも契約というのは誰かその証人になってくれる人がいなければ成立しないような気がするのですが?主神が誓う相手とは誰なんでしょうかね?
結局、話がまとまらなくなりました・・・(笑)
やはり一度テクストを一語一語じっくり読みこんでみなければ・・・という気がしています。