シベリウスの交響曲

一昨日は、ネットラジオで、またペトリ・サカリのアイスランド響で、シベリウスの5・6・7番を聴いておりました。
個人的には、5番はもう一つかな?と思ったのですが、6番・7番は良かったです。
それで思ったのですが、シベリウス交響曲は、どれも傑作だと思うのですが、2つのタイプがあるように思います。
一つは、1・2・5のような「重厚路線」、もう一つは4・6のような「室内楽路線」です。3と7は、その中間なのですが、どちらかと言えば、「室内楽路線」に近いような気がします。
そのためかどうか、「重厚路線」「室内楽路線」のどちらを得意とするは指揮者しだいで、ペトリ・サカリは、どうも後者のように思えます。
また、聴く側の趣味も分かれるように思えます。
私自身はといえば、コテコテの(?)「室内楽路線」派です。高校生の時にFMで初めて「4番」を聴いたのですが、「これはすごい!」と思いました。
何が何だかわからない所がある曲なので、どこがいいのか?と言われると難しいのですが、一言で言うと「渋くてカッコいい」のです。それは例えば・・・

・第1楽章で突然金管が吠え出すところ。これは、再現部で太鼓が鳴った後にまた繰り返されます。
・第3楽章で、チェロのテーマが出てきて、中断しながら何度も何度もテーマを繰り返すところ
・第4楽章のコーダで、長調の音楽が盛り上がって行くのに突然突き落とされたように短調になり、悲痛なシンコペーションを繰り返し、さびしく終結するところ

ざっとこんな感じです。単に「ネクラ」ということかもしれませんが(笑)
でも、1番とか7番も、フィナーレは明るく盛り上がっていくのに、クライマックスで突然暗転しますから、そのペーソスはシベリウスの本質のようにも思えます。
なお、「重厚路線」ですが、これはこれで捨てがたく、特に2番の第2楽章や、5番の第3楽章は、大好きな曲です。
アイスランド響は、ペトリ・サカリのもとで、かなりシベリウスに力を入れていたように思えます。こういう取組みは本当にいいことなので、ぜひさらに磨きをかけてほしいなあと期待します。