アラベラ第1幕冒頭

今日は、アラベラの第1幕の冒頭をアップしました。
http://www31.atwiki.jp/oper/pages/615.html
最初の「トランプ占い」の場面は、けっこう長いやり取りなのですが、音楽ではあっという間に終わってしまうので、翻訳者としては、ひえ〜・・・と思ってしまいます。ですが、このアレグロなイントロダクションって、シュトラウスの得意業ですね。実に、うまいと思います。
今回アップした場面では、やはりズデンカの心理が気になります。彼女とマッテオとの間柄はいろいろと描きようがあるように思えます。第3幕で大団円になる伏線としては、マッテオはズデンカに対して、実は(恋愛的な)好意を抱いているのでしょう。ただし、何と言っても男なので、同性愛的関係は持てないという心理的束縛があります。この辺りの怪しい関係は、マッテオが一瞬ズデンカの肩を抱き、ズデンカが逃げるところで表現されていると思えます。ここは、実は演出上キーポイントなんじゃないかと思います。
一方、ズデンカのほうも、初めはそれと気づかなかったのが、ラブレターを代筆するうちに、その気になっていったのかもしれません。このズデンカ、マッテオの2人の場面の演出次第で、その後の「姉妹の二重唱」はもちろん、オペラ全体の展開が違ってくるような気がしてきました。確かに、アラベラよりもズデンカに着目したくなる演出家の気持ちは良く分かります。