カイルベルトのアラベラ

ネットで見たところ、カイルベルトバイエルンの「アラベラ」は名演の評価が高いということで聴いてみると・・・。
こ、これは、確かにすごい・・・。聴かせどころが、こんなに完璧な演奏とは・・・絶句してしまいました。リヒャルト・シュトラウスって、もともとそういうところがあるけど、晩年になるほど「幸せ」な音楽になっていきます。ある意味、芸術家っぽくない凡人的なところがあって、そこが実は私にはよく分からないところがあったのですが。(マーラーシュトラウスは両立しないというのをどこかで読んだことがあって、それもそうかと思うのですが、思うに、これはまだしも両立できて、一番両立しないのって、ワーグナーじゃないか?)
このCDは、リサ・デラ・カーザのアラベラと、ディースカウのマンドリカの組み合わせがすばらしいです。この曲は、とにかくこの二人という感じですが、脇役もみんなすごすぎ。1963年・・・もう50年前ですが、音もきれいです。
オケの音も、ちょっと何なの?という音だ・・・。絶句。

<追記>
この演奏を何回か聴いてみると、これは第3幕のフィナーレがすごくいいことに気付いた。「終わりよければ」というのは本当ですね。
改めて聴いていると、デラ・カーザの歌い方は、ちょっと古風すぎるかもしれません。ポップを聴き慣れてしまったので、最近よけいそう聴こえてきてしまいました。一方、フィッシャー・ディースカウは、私はけっこう好きですね。
実は、フィアカー・ミッリが、けっこうすごいような気がします。エヴァ・マリア・ローグナーという方なのですが。こういう所は、えてしてヒストリカルがすごいのです。
カイルベルトの演奏は、第3幕の序曲(この演奏は第2幕からそのままこの曲に流れ込むのですが)とか本領発揮かも知れませんね。この方、適切な表現かわかりませんが、けっこう「やんちゃ」な演奏なんですよ。面白いです。