「ジークフリート」第1幕対訳完成と、今年の「パルジファル」への期待

「オペラ対訳プロジェクト」に、「ジークフリート」第1幕の対訳をアップしました。
第1場 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/189.html
第2場 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/190.html
第3場 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/191.html

この幕、長いですね・・・。言葉がいっぱい詰まってますね。ジークフリート、よくしゃべるなあ(笑)。日本的感覚だと、英雄って寡黙な雰囲気がありそうですが。西郷さんみたいな。そこがやはり文化の違いなのか、ただ単にオペラなので歌わないわけにいかないだけなのかは、よく分かりません。たとえば『黄昏』のハーゲンのほうが、わりと寡黙なので、こちらのほうがカッコよく見えてしまう。
ミーメもよくしゃべるのですが、すぐネガティブ思考に陥ってしまうところが面白い。全3場ともに、椅子の上で頭を抱えたり、椅子ごとひっくり返ったりということで、ワーグナー作品にしては、わりとユーモラスな感じのキャラです。ジークフリートも、ミーメも、同じテノールなので、演奏によっては、どっちがどっちなのか分からなくなってしまいます。ヘルデンがキャラクターになったり、その逆もありということで、対訳を聴きながらニンマリするのが通の楽しみ方と言えるでしょう(←かなりマニアック) 同じことの女声版は、「トリスタン」の、イゾルデとブランゲーネにもあります。
「さすらい人」として登場するヴォータン。『ジークフリート』におけるヴォータンは、前2作に比べて老成したというか達観したというか、何かカッコいいものがあります。
 
翻訳ですが、本当は、今年のバイロイトシーズンに入る前に、第1幕だけでも完成させようと思っていたのですが、やはりなかなか難しいですね。
「指輪」ですが、あとは本作品の第2幕を残すのみとなりました。夏休みの時間も活用しながら、なんとか早めに完成させたいところです。

さて、今年の日本におけるワーグナー公演と言えば、何と言っても10月の新国立劇場の「パルジファル」でしょう。飯守泰次郎氏の指揮で、2年前の二期会公演に引き続き、またこの作品が観られるというのは、喜びという以外の何物でもありません。ハリー・クプファー氏の演出も興味あるところです。また、パルジファルは、前回同劇場の「指輪」でジークフリートを演じたクリスティアン・フランツ氏ですし、グルネマンツのジョン・トムリンソンさんも聴きでしょう。
自分で言うのもなんですが、私はこの作品についてはかなりマニアなので、すでに2日分のチケットを買ってスタンバっているところです。今年は、もうほぼこれ一本でいいかな?楽しみにしています。