ライプチッヒ・マーラー音楽祭の「8番」DVD

5月のライプチッヒマーラー音楽祭のDVDが発売されたので見てみました。
シャイー=ゲヴァントハウスのこの演奏は、「2番」もいいのですが、やはり「8番」がいいです。
字幕つきなのがうれしいところです。(日本語版ではないですが。)
「8番」にものすごく感動してしまったのですが、やはりこの曲は「歌詞」をじっくり味わうべき音楽なのでしょう。「ファウスト」最終場面は心に訴えるものがあります。「善悪の彼岸」というか「悪人正機」(?)とでもいうか、なんか人生の酸いと甘いを知り尽くした人の詩だと感じます。若い時にわからなかったはずです。
(念のため以前アップした拙訳もどうぞ。
第1楽章 http://d.hatena.ne.jp/wagnerianchan/20110529/1306673335
第2楽章 http://d.hatena.ne.jp/wagnerianchan/20110601/1306931163

Symphony 8 [DVD] [Import]

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マーラーについては、前島良雄さんの本を読みましたが、これはとても面白かったです。マーラーが死の影に脅かされていたというのは主にアルマが作ったストーリーで、元気いっぱいのところの突然死だったというのは、まったくそのとおりだと思います。まだ50歳だったんですよ。本当に惜しい人をなくしたものです。
マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来 著者:前島良雄 (叢書 20世紀の芸術と文学 )[単行本]

マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来 著者:前島良雄 (叢書 20世紀の芸術と文学 )[単行本]

指揮者がそれをどうとらえているかは「9番」の演奏、特に終楽章の演奏に反映されているように思います。まさに「死ぬような」演奏から「健康的な」演奏まで様々なように思います。最近、マーツァル=チェコフィルの演奏を聴いていましたが、これもまたいいですね。これは「朴訥系」ですが誠実さが感じられます。以前紹介した朝比奈=大フィルと似ているのは第2楽章が「田舎っぽい」ことですね。これをウィーンフィルがやると、すごく洗練された音楽に感じるのはすごく面白い現象です。同じ楽譜なのに、なんでそうなるんでしょうね。不思議なほど全然違います。
マーラー:交響曲第9番

マーラー:交響曲第9番

そうそう・・・以前すすめられたジンマン=チューリヒトーンハレの「7番」も聴きましたが、確かにこれは「目からウロコ」の快演だと思います。他の解釈とまったく違いますが、すごく納得できます。特に第4楽章と第5楽章が「おお・・・これはこういう曲だったのか」と感じます。
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」